対談詳細

艶もたけなわ
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岸惠子 女優・作家

2016年10月 2日号

阿木燿子の艶もたけなわ 122

 2013年に発表し、ベストセラーとなった恋愛小説『わりなき恋』。著者の岸惠子さんは昨年、自ら朗読劇にし、今年、再演が決定。間もなく舞台の幕が開きます。そんな岸さんの言葉に対するこだわりに、阿木さんは興味津々。また、女優として活躍したウラの仰天エピソード、はたまた家族の秘話などをたっぷりお届けします。

  •  ◇私は一張羅の自分の言葉、日本語を大切にしたいという気持ちがとても強いんです。
  •  ◇恋愛小説をお書きになると、どこまでが事実かと、尋ねられることが多いのでは?
  •  ◇最初の出会いは、本当です。飛行機で偶然、隣り合った男性を主人公に決めたんです。

阿木 お帽子、ステキですね。さすがパリ仕込み、とても似合っていらっしゃいます。
 大丈夫かしら? 髪が長くなったので、自分で切ったんですよ。こうやってジョキジョキって。
阿木 何と大胆な(笑)。でも、そういうところもチャーミングで、岸さんは私の憧れの女性です。
 いえいえ、阿木さんこそ多方面でご活躍で。映画の演出もなさったことがおありだそうですね。
阿木 はい。以前1本、監督をやらせていただきました。
 ステキですね。私にも脚本と演出をしたい物語があったんですが、でも結局いろいろあって、実現しませんでした。
阿木 どんな内容ですか?
 元日本赤軍の岡本公三(容疑者)をモデルにした作品です。
阿木 過激派のメンバーですよね。名前を聞くと、当時のテレビニュースの画像が蘇(よみがえ)ります。
 岡本たちはイスラエルのテルアビブ空港で乱射事件(注1)を起こし、仲間は警備隊に射殺されましたが、岡本は一人生き残り、逮捕されたんです。
阿木 一般の乗降客を巻き込み、世界中を震撼(しんかん)させた事件でしたね。
 今、世界を震撼させているイスラム国(IS)に先駆けてのひどいテロ事件でした。岡本は高さが1メートルしかない独房に入れられ、舌を噛(か)み切って自殺しないように、棒を咥(くわ)えさせられていたそうです。彼は終身刑判決を受けましたが、その後、捕虜交換で釈放されて、現在はレバノンにいるそうですが、それを映画ではパリを通過した設定にして、優秀な大学生になにが起こったのかを描きたかったんです。
阿木 岸さんのジャーナリスティックな面が、垣間見られる作品になったはずなのに。
 ええ、とても私らしい内容だと思ってました。構想自体はかなり以前に思いついたもので、その時は、岡本役はショーケン(萩原健一)しかいないと決めていました。でも周りからは、社会派すぎて岸惠子らしくないと反対され、企画自体が流れてしまいました。

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