対談詳細

艶もたけなわ
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大友啓史 映画監督

2016年8月28日号

阿木燿子の艶もたけなわ 117

 映画監督の大友啓史さんはNHK時代、「ちゅらさん」「龍馬伝」など話題のドラマを次々と手がけ、独立後は映画「るろうに剣心」で新しいアクション映画の道を切り開き、注目を集めました。ヒット作を生み出す、"大友マジック"の裏側から、最新作「秘密 THE TOP SECRET」の秘話までお伺いします。

  •  「秘密」はNHK時代に見つけ、いつか映画化したいなと思っていたんです。
  •  映画「るろうに剣心」3部作は、息詰まるアクションシーンの連続でした。
  •  そう言っていただくとうれしいですが、作る側としては大変でした(笑)。

大友 ご主人の宇崎竜童さんには以前、NHKのドラマ「ハゲタカ」にご出演いただいて。
阿木 お世話になりました。撮影中、主人は大友監督のエネルギッシュさに感動しておりました。現場もとても活気があって、皆さん、生き生きしていたと。
大友 撮影に入る前に、スタッフ全員に「僕はこういうことがやりたい」って伝えるんです。そうするとカメラマンや録音部、美術部が、それを成立させるためにはどうすればいいのか、いろいろアイデアを出してくれるんです。
阿木 各パートのスタッフを信頼してのことですね。
大友 「ハゲタカ」を撮る以前は、僕もきちんと絵コンテを描いていたんです。ここではバストショット、次はアップでって。でも、それが次第につまらなくなって。
阿木 予定調和だと、画面がお行儀よくまとまってしまう。
大友 そう。もっと自由な画(え)が撮りたくなって。ハリウッドの撮影現場で、まったく違う手法を目の当たりにしたんですね。マスターショットといって、シーンの最初から最後までを、出演者全員の芝居が見えるアングルから撮って、それから個別に撮影していくんです。
阿木 舞台のお芝居を撮っているイメージ?
大友 そうかもしれませんね。そうすることで、俳優は芝居の自由度が高くなります。細々とカット割りすると、俳優もスタッフも気持ちが途切れてしまい、エモーショナルな仕上がりにならない。
阿木 アメリカ留学が、監督としてのターニングポイントに?
大友 影響は大きかったですね。
阿木 あのー、ちょっと伺ってもよろしいでしょうか。留学の費用って全額、NHK持ちで?
大友 そうですね。なのに、行った時点で、どこか辞めることを考えていました(笑)。
阿木 NHKにしてみたら、育てたはいいけど、あーあ、辞められてしまったという感じにはならなかったんでしょうか?
大友 日本に戻ってから10年以上在籍しましたし、そこそこ評価をいただいたドラマを作ったので、局には恩返しできたかなって(笑)。実際、円満退社でしたし。
阿木 退局後はハリウッド仕込みの撮影方法で、次々、話題作を世に送り出されましたよね。
大友 方法論として、従来の細かいカット割りだと、スタッフが台本とにらめっこ状態になって、肝心の芝居を見なくなるんです。
阿木 それでは沸騰点の高い作品にならない。私も似たような経験をすることがあって。コンサートのプロデュースをすると、リハーサルをまったく見ていないスタッフがいるんです。進行表やパソコンの画面に目を落としたままで。それだと一緒にものを作っている気がしない。

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