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艶もたけなわ
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三浦友和 俳優

2016年6月19日号

阿木燿子の艶もたけなわ 108回

 俳優の三浦友和さんは、デビューして今年で45年目。ベテラン俳優として、こわもての暴力団幹部や悪徳経営コンサルタント、寡黙な父親など、さまざまな役柄を演じ、高い評価を得ています。6月は出演作品が2本立て続けに公開。その見どころとともに、三浦家の知られざるエピソードを阿木さんがたっぷりと引き出します。

 ◇結婚して36年目なんですけど、居心地のいい家庭があるって、幸せですね。

 ◇私が感動したのは、ご結婚に際して、友和さんが生涯浮気をしないって誓われたこと。

 ◇そういう感情を持つことと、実際に一線を越えることとは別次元の話だと思うんです。

阿木 友和さんはクリント・イーストウッドがお好きですよね。私も昔から大ファンで、出演した映画と監督作品をほとんど観ているんです。彼のはハズレがないのが凄(すご)いですよね。俳優としても、監督としても超一流。友和さんは昔から裏方というか、製作サイドにもご興味がおありだったそうで。ご自身で映画を作ろうとは?
三浦 実は監督ということで、2年越しで進めていた企画があったんですが、最終的にはおカネの問題でポシャってしまいました。
阿木 それは残念でしたね。でも、いつかまた仕切り直しをして......。
三浦 そうですね。やりたいと思っています。
阿木 映画を作るって、すごくリスキーでしょう。奥様の百恵さんは反対なさらなかった?
三浦 それはないですね。映画監督はともかく、政治家だけにはならないでって、言われたことはありますが(笑)。
阿木 あら、どうして?
三浦 旦那が立候補して奥さんが応援演説している姿をテレビで見て、あれだけは絶対嫌だって(笑)。
阿木 確かに、友和さんが立候補なさったら大変なことになりますね。
三浦 僕にはそんな気は、毛頭ありませんから(笑)。
阿木 6月は友和さんが出演なさった映画が2本、立て続けに上映されますが。
三浦 はい、「64-ロクヨン-後編」と「葛城事件」です。先日、「64-ロクヨン-」で主演の佐藤浩市さんとも「ちょうど後編が公開のとき、他の作品がダブっちゃうんだ」って話をしたばかりです。
阿木 友和さんの主演作の「葛城事件」は、息子が無差別殺人犯という荒廃した家庭を描いた作品ですよね。友和さんの役は、念願のマイホームを建て、理想の家庭を追い求めた結果、独善的な性格のために家族から疎まれてしまう父親という難しい役どころでしたが、すごくリアリティーがありました。
三浦 ありがとうございます。実は、先ほどお話しした映画製作の話が頓挫した数日後に「葛城事件」のお話をいただいたんです。気持ちが萎えていたので、一度はお断りしたんですが、脚本を読んだら面白くて。これ、やらなかったら後悔するなと思って、お引き受けしたんです。
阿木 観終わった後、あー、心にずっしり響いたなと思いました。いくつかの強烈なシーンが脳裏に焼き付いてしまって。それくらいインパクトが強く、この映画自体、出色の出来だと思います。赤堀雅秋監督は、父親役は友和さんしかいないと熱望されたそうですね。
三浦 映画作りの話が流れたのも、今ではこの映画に出るためだったのかなと。それくらい縁を感じる作品でしたね。
阿木 「葛城事件」とは対照的に、「64-ロクヨン-」は超大作ですよね。豪華なキャストが話題になりましたが、後編はさらにスケールアップして、より一段と緊迫感が増していました。佐藤浩市さんが演じる県警警務部の広報官と、友和さん演じる元上司とのやり取りが圧巻でしたね。「64-ロクヨン-」の原作は、横山秀夫さんですよね。出演依頼以前に、本は読んでいらっしゃったんですか?
三浦 はい。とても面白かったので、参加できてうれしいです。前編がヒットしたので、後編もぜひ、多くの方に観ていただきたいです。
阿木 以前、友和さんは役者としてのターニングポイントを、お亡くなりになった相米慎二監督との出会いだと、おっしゃっていましたよね。確か、「台風クラブ」。
三浦 はい、僕の俳優人生を変えた作品であり、監督です。
阿木 「台風クラブ」で友和さんは、それまでの二枚目路線と打って変わって、どうしようもない困った先生(笑)。
三浦 役柄も意表を突いていましたが、僕にとればすべてが驚きで。ローバジェット(低予算)なので、僕たち俳優も民宿に泊まったり。同じ映画の現場なのに、異次元の世界に来てしまった感がありましたね。
阿木 相米監督って長回しが有名で、リハーサルを何度もやり、俳優さんを追い込む厳しい監督だとか?
三浦 別に厳しいわけではないんです。声を荒らげることもなくて。「さっきの振り向き方がちょっと違ったから、もう一回いこうか」って、そんな感じですよね。でも、何がいいのか、どこが悪いのか何も言わない。そのまま何度も繰り返して、「日が暮れたから、明日にしようか」みたいな。
阿木 でも、それって、俳優さんはストレスがたまるのでは?

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