対談詳細

艶もたけなわ
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有村昆 映画コメンテーター

2016年4月24日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載101

 テレビの情報番組などで、わかりやすい映画の解説と、底抜けに明るいキャラクターでおなじみの有村昆さん。3年前、キャスターだった丸岡いずみさんと結婚されたことでも知られています。そんな有村さんは、究極のプラス思考マン。終始、笑いが絶えない阿木さんとの対談では、いつの間にか、ほんわかと"幸せの花"が咲いたようです。

  •  両親が楽しいことしか聞かなかったので、楽しいことだけを探す毎日でした。
  •  日本映画は、絆とかがテーマになりがちで、こぢんまりとした印象がありますが。
  •  これまでの"島国イズム"を捨て、海外でも勝負できる作品づくりに方向転換しないと。

阿木 有村さんは肩書を映画評論家ではなく、映画コメンテーターにしていらっしゃいますよね。何かこだわりが?
有村 映画評論家というと、専門誌などに解説や論評を書いて、好きな方により深く映画を知ってもらおうという立ち位置だと思うんです。でも、日本人の半数は、映画を1年間に1、2本しか観ていないんです。
阿木 そんなに少ないんですか。
有村 そうなんです。そういう方にせめて年3、4本は観ていただきたいなと。で、映画をわかりやすくご案内できたらと思って「コメンテーター」にしたんです。
阿木 有村さんからご覧になって、今年のアメリカのアカデミー賞はいかがでしたか。レオナルド・ディカプリオが念願のアカデミー賞主演男優賞を獲(と)りましたが。
有村 うれしいですねぇ。出演作「レヴェナント 蘇えりし者(注1)」は、ぜひご覧いただきたい作品です。
阿木 私はまだ観ていないのですが、やはりオススメ?
有村 はい! 西部開拓時代の実在の人物をモデルにした作品で、極寒の米北西部で、ディカプリオは凍った川を泳いだり、木の根っこや動物の肝臓を食べたり、馬の体の中で暖を取るシーンなど、全て本人がやっているんです。
阿木 まさに役者魂。どうして、そこまでできるんでしょうね。
有村 やっぱり、オスカー像が欲しかったってことじゃないでしょうか(笑)。執念ですよね。
阿木 ディカプリオは確か、今回で5度目のノミネート?
有村 そうです。でも、アル・パチーノは8回ノミネートされてようやく受賞しましたし、メリル・ストリープは、ノミネート19回でギネス記録を持っていますが、受賞したのは僅か3回で、確率としては決して高くない。ディカプリオだけが特別不運だったわけではないんです。
阿木 私は以前は、アカデミー賞受賞作イコールいい映画と思っていたんですが、近年は内容が伴っていないなと感じることが結構あって、映画館から足が遠のいてしまいました。
有村 おっしゃる通り、いろいろなご意見があります。ただ、最近の傾向として、娯楽性だけを追求するのではなく、意図的にわかりにくく作ってあるものが増えている感じですね。
阿木 というと?
有村 ジャーナリズム性を強く押し出した作品が目に付きますよね。今回の「レヴェナント」もそうですし。白人優位主義に疑問を投げかけていて。また、ゲイやレズビアンといったセクシュアルマイノリティーに対する差別を鋭く描いたものなど、エンターテインメント性は乏しいけど、メッセージ性が強いといった傾向がありますね。
阿木 逆に、エンターテインメントとしては申し分ないんだけど、観終わって何も残らない作品もありますよね。有村さんがご覧になって、どうして受賞したんだろうって感じることは?
有村 ありますね。たとえば5年前の「英国王のスピーチ(注2)」は、他に本命があったのに、急浮上して獲っちゃった。調べてみると、イギリスのウィリアム王子のご成婚のタイミングだったり。
阿木 単純に作品の中身ってわけでもないんですね。
有村 アメリカを取り巻く社会情勢が強く反映される場合があって、アカデミー賞は「アメリカの今を映す鏡」の傾向も否めません。

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