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艶もたけなわ
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ケイコ・リー ジャズシンガー

2016年2月 7日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載90

 国内の女性ジャズシンガーで、人気ナンバーワンの座を維持し続けているケイコ・リーさん。しかし、子どものころは目立つのが嫌いで、歌手になるなんて夢にも思わなかったそうです。それがなぜ、人前で歌うようになったのか。
そのきっかけをはじめ、名盤に関する音楽仲間との秘話や恋愛観など、話題満載─。お楽しみください。

 ◇カーメン・マクレエのあまりの凄さに、「ジャズボーカルってカッコいい」って。
 ◇故ビリー・ホリデイと"共演"なさっていらっしゃるので、驚きました。
◇顔を見合わせながら歌っているとイメージしました。今思い出してもゾクゾクします。


阿木 3年前に主人(宇崎竜童氏)がプロデュースしたジャズ祭に出ていただいたとき以来ですね。お久しぶりです。
ケイコ こちらこそ、ごぶさたしています。
阿木 あのとき、初めてケイコさんのステージを拝見したのですが、「凄(すご)い歌い手さんだな」って、衝撃を受けたんです。
ケイコ え~!? 本当ですか~。
阿木 ジャズボーカリストで熱唱タイプは少なくありませんが、ケイコさんみたいに淡々としながら、歌の核になる部分が熱を帯びている歌い手さんってめったにいない。
ケイコ フフフ。
阿木 客席で私、ケイコさんの声を聴きながら、建物をイメージしていたんですよ。
ケイコ えっ、建物???
阿木 形としてはアパートで、1階にはケイコさんが住んでいて、地下3階ぐらいまであるの。そこにはたくさんの住人がいて、ケイコさんがアーッって声を出すと、皆が一斉に歌い出す、そんな感じ。
ケイコ ヘェ~(笑)。
阿木 上の階にもいろいろな人が住んでいて、しかも多国籍。アフリカ系やアジア系の人たちもいて。時折窓が開いて、その人たちが顔を覗(のぞ)かせ、ソロを取ったり。
ケイコ ハハハ。面白~い(笑)。
阿木 でしょ?(笑) 今でもその印象は変わらないの。とても奥行きと深みのある声だなって。
ケイコ それって、すっごくありがたいお話です。
阿木 でもきょう、改めて思ったのはケイコさんの話し声って、決して低くないのね。
ケイコ あ、そうですね(笑)。
阿木 主人が名古屋でケイコさんとお会いしたとき、「お喋(しやべ)りしている限り、まったくフツーなんだよね」って(笑)。ステージと普段とのギャップに驚いていました(笑)。
ケイコ 普段はフツーですよ(笑)。
阿木 歌を聴くと、男性のキーじゃないかと思うくらいですが、低い音はどこまで出るんですか?
ケイコ 女性は下のミかファぐらいまでが多いんですが、私はライブだとその下のレまで。レコーディングで一瞬ですが、下のファまで出ます。
阿木 そんなに低くて深い声の持ち主のケイコさんには「ディープ・ヴォイス」という形容詞がよくつけられますが、ご本人はどうお感じになっていらっしゃるの?
ケイコ 自分ではあまり意識していないですね。
阿木 実は私、ケイコさんの資料に目を通していて、自分のことじゃないかって思う箇所があって。
ケイコ どんなところですか?
阿木 子どものころ、引っ込み思案で目立つのが嫌いだったって。
ケイコ あ、そうなんです。
阿木 徒競走で1着になりそうになると、途中で足を止めていたって(笑)。
ケイコ そう、親に怒られて。そのときの感情を今でも覚えているんです。幼稚園で1番になると周りからウァーって言われるのが嫌で。
阿木 その気持ち、よくわかります。
ケイコ いや~、うれしい~(笑)。
阿木 私も授業中、存在感を消すべく、ほとんどうつむいていましたから(笑)。

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