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艶もたけなわ
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渡辺ミキ ワタナベエンターテインメント社長

2016年1月24日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載88

 大手芸能プロダクションを率いる女性社長、渡辺ミキさん。華やかさばかりが目立つ芸能界ですが、浮沈の激しい人気商売ならではの難しさ、厳しさがあります。加えて、テレビ全盛の時代から、ネットも加わりビジネスの現場も激変してきました。困難な舵取りが迫られる中、渡辺さんの"スゴ腕"の秘訣に阿木さんが迫ります。

 ◇今のタレントには「プラスワンの才能」を徹底的に掘り起こすことが大切です。
 ◇飯島愛さん自身はピュアなハートの持ち主で、多くの人に愛された感じですね。
 ◇本当にそうでした。でも、立派に生き抜いたんだと思います。短かすぎましたが......。


阿木 言わずもがなですが、ミキさんは渡辺晋さんのお嬢さんです。お父様が創業された渡辺プロダクションを継がれるにあたって、相当なご覚悟が必要だったのでは? というのも、日本が元気だった頃の渡辺プロは「王国」と呼ばれるほどの隆盛でしたが、晋さんが亡くなられた後、新たなスターを生み出せずに苦しい時代が続きましたよね。そんな大変な時期に会社を引き受けられたわけですから......。
渡辺 元々私は、入社を考えていませんでした。父と母とスタッフの皆さんがつくった、とても影響力の大きい会社と恐れ入ってましたから。でも、結果的には跡を継いで良かったなって思っています。人生には、やらなければいけないことに真正面から取り組んでこそ、道が開けることもあるんだって。
阿木 ここまでV字回復なさるには、さまざまなご苦労がおありだったと思いますが、基本的に日本の芸能界は男社会ですよね。渡辺プロ入社当時は、お嬢さま、お手並み拝見、みたいな雰囲気だったんじゃないんですか?
渡辺 渡辺プロは、業界で大卒の社員を初めて採用したり、マネジャーにスーツ着用のルールを導入するなど、新しい試みを実践する会社でしたが、それでも女性マネジャーはいませんでした。私が"第1号"だったんですよ(笑)。
阿木 渡辺プロの黄金期は、ミキさんのお宅には年がら年中、人が大勢集まって賑(にぎ)やかだったとか?
渡辺 社内も社外も、アーティストも裏方もなく、皆さんで絶えずディスカッションしていましたね。父はそこでヒントを与えたり、自らも新しいアイデアを得たりしていたようです。そういう意味で、父は社長でしたが、それ以上にプロデューサーでもありましたね。
阿木 私たちの認識だと、お父様の晋さんは有能な経営者で、お母様の美佐さんは凄腕(すごうで)プロデューサー。美佐さんは大輪の花のような方で、渡辺プロのシンボル的な存在でしたよね。
渡辺 でもその実、父が母のプロデュースもしていたと思います。
阿木 この世に歌の上手な人、ルックスのいい人は大勢いますが、それだけで売れるわけではありませんよね。その判断って難しいと思うのですが、ミキさんは何を基準にしていらっしゃるんですか?
渡辺 自分の感覚を信じること、プラス、マーケティングです。
阿木 日本の芸能界で、そのシステムを初めて導入したのも渡辺プロでしたね。
渡辺 マーケティングは、時代を読む指標だと思うんです。皆さんが求めているのに自分自身では気づいていないものを提示するための必要なリサーチじゃないかと。父は出てきたデータからも、謙虚に学ぼうとしていましたね。
阿木 晋さんは、そうやって積極的に業界の近代化を進めてこられましたが、今、時代はそれプラス、ネットの要素が加わってきましたよね。これからは、新しい芸能界の形が求められると思うんですが。
渡辺 明らかにそうですね。芸能界の中で新しい分配制度が必要になってきています。一方で、活字や映像、音楽といった文化がネットによってタダだと思われているのも現状。それって、才能あるアーティストの仕事をタダにしてくださいということになってしまいます。仕事として成立しないと、若い人たちの間で作詞家や作曲家、ミュージシャンになりたいと思う人がいなくなります。
阿木 今もうすでにプロの作詞家、作曲家は、絶滅危惧種になっています(笑)。先ほど、出掛ける用意をしながら、恵(俊彰)さんが司会をなさっている番組を拝見していました。恵さんはワタナベエンターテインメントの所属タレントさんですよね。
渡辺 「ひるおび!」(TBS系)ですね。
阿木 恵さんは「下町ロケット」(同)で辣腕(らつわん)弁護士役で出演なさっていた。"昼間の顔"と全然違うので、あぁ、こんな役もおできになるんだなって。
渡辺 おかげさまで、いろいろな方から「こんな弁護士に顧問をやってもらいたい」と言われるほど、大きな反響をいただきました。
阿木 恵さんといえばホンジャマカ、相方は「まいう〜」の石塚(英彦)さんですが、主人(宇崎竜童氏)は石塚さんの大ファンで。
渡辺 ありがとうございます。石ちゃん、聞いたら喜びますよ(笑)。

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