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艶もたけなわ
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上原淳 川越救急クリニック院長

2015年12月20日号
 日本初の救急・夜間診療に特化した医療機関を設立した上原淳さん。大都市部で救急搬送が遅れる傾向が問題視されている中、上原さんの"挑戦"は注目を集めています。一方で、上原さん自身はとても愉快。"医療界の高田純次"と呼ばれているそうです。救急医療の実態をはじめ、硬軟自在の上原さんの魅力に阿木さんが迫ります!

 ◇だからこそ、作りたかった。救急の受け皿を。しかも、夜間専門でね。
 ◇クリニックの中では"医療界の高田純次"と呼ばれているとか(笑)。
 ◇僕は軽いんです(笑)。メディアに出るマジメな顔は世を忍ぶ仮の姿、営業用ですから(笑)。


阿木 上原さんは日本で初めて個人で救急クリニックを立ち上げられたんですよね。それも、以前勤められていた埼玉の高度救命救急センターのお近くに。
上原 近くに建てたほうが、重症患者が来たとき、対応してもらいやすいと考えたもので。
阿木 それにしても、救急医療が「1次」「2次」「3次」と分かれているって、知りませんでした。1次は軽症で、2次は入院が必要な患者さん。私たちがイメージする救急救命士のドラマみたいに、ストレッチャーでICU(集中治療室)に運び込まれるのは3次なんですね。
上原 救急の世界では、有名なピラミッドがあるんです。人口100万人当たりで、実は救急患者のうち3次が僅か1%なんですよ。2次は10%。残りの89%は1次です。
阿木 確かに、救急車を呼ぶときって熱中症だったり、急性アルコール中毒だったり、症状はさまざま。必ずしも命に別条があるケースばかりではありませんよね。
上原 そうなんです。ところが、病院側はそれぞれ何パーセント受けているかというと、1次の病院が10%、2次が40%で、3次の救急病院が50%も受け入れているんですよ。
阿木 つまり、比較的軽い症状の患者さんが受け入れ拒否で、たらい回しにされて3次の病院に運び込まれてしまう。で、そこの医師たちは軽症患者の対応に追われて、時間と労力が奪われる。問題ですよね。本来なら1次、2次を受け入れる病院が、お魚の骨が喉に刺さった程度の患者さんの応急措置を拒否する。お医者さんの知識があれば、ピンセットで簡単に取れるはずなのにね。
上原 ところが皆、断ります。なぜかっていうと、喉の場合、専門が耳鼻科なんですね。
阿木 そうか、専門外ということで......。
上原 もっと言うと、耳に虫が入ったとか、鼻にビーズが詰まったとか、そういうのも全部耳鼻科なんですよ。ところが、耳鼻科の当直ってほとんどいないんです。だからどこも断って、たらい回しになってしまいます。
阿木 「たらい回し」って言葉を初めて耳にしたとき、ショックを受けました。要するに、どこも引き受けたがらないということでしょう。
上原 どんどん増えていますよ。今、医療を取り巻く環境がすごく厳しいんです。それこそ、自分の専門外を扱って失敗したら責任を問われかねない。以前、奈良の病院で脳外科の先生が、心臓病の人を受け入れて処置後亡くなってしまった。それで過失認定されたケースがあります。
阿木 そういうことがあるとなおさら、病院側は慎重にならざるを得ませんよね。
上原 だから、今の医療ってかなりギスギスした中で行われているんです。訴訟リスクを避けるため、患者さんに同意書を何通も書いてもらったりするでしょう? 余計な手間ばかりに時間が割かれているんです。その点、うちのいいところは、患者さんに合わせて医者が自分のやりたい医療を自由にできるところです。
阿木 患者側にも問題がありますよね。救急車をタクシー代わりに使う人がいるって聞きました。これなんか論外ですよね。

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