対談詳細

艶もたけなわ
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前橋汀子 バイオリニスト

2015年11月29日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載81

 デビューから半世紀を超えた国際的バイオリニスト、前橋汀子さん。今もなお音楽へ寄せる思いは熱い。一人でも多くの人に気軽にクラシックを楽しんでもらいたい、と始めた昼間のコンサートは10年間続いています。そんな前橋さんの足跡をたどりながら、クラシック音楽の魅力を語り尽くした"カンタービレ対談"をお楽しみください。

 ◇ライブは決められた時間・場所に集まってくださる方々との"特別な出会い"。
 ◇若い音楽家の人たちが、より良い演奏のためには、何が一番大事だとお考えですか?
 ◇生き方そのものだと思います。音には、その人の性格や人生がすべて表れてしまうのでは。


阿木 実は私、クラシックのコンサートにあまり足を運んだことがなくて、オペラを観に劇場に何度か行ったくらいで......。
前橋 それはちょっと寂しいです。
阿木 申し訳ありません(笑)。
前橋 でも、日本にはそういう方がまだまだ大勢いらっしゃるんですよね。私は長いこと弾き続けていますが、クラシック、それも生のバイオリンの音を聴いたことがない人が数多くいらっしゃるので、今の私にできることを考え、サントリーホールでコンサートを開いています。今年で11回目になりました。
阿木 まさに、継続は力ですね。
前橋 そうなんです。最初はどうなることかと心配しましたが。
阿木 アフタヌーン・コンサートというネーミングがステキ。タイトル通りコンセプトは午後ですね。
前橋 はい。CD1枚分の値段で気軽に演奏を楽しんでもらおうと考え、休日か土日の午後2時から始めるんです。おかげ様で毎回満員で、リピーターもたくさんいらっしゃいます。
阿木 チケット代が安価な分、経費を考えると主催するのは大変なのではと、お察しするのですが。
前橋 スポンサーもいない中、事務所の協力があって成り立っています。でも、利益とかが目的ではないので。お客様がホールにいらしていただくことが目標であり、今の私の大きなエネルギーになっています。
阿木 お客様にとっては、最高にハッピーな企画ですね。
前橋 そうだとうれしいです。他にも池袋の東京芸術劇場で1時間のプログラムでデイライト・コンサートを始め、今年で3回目です。
阿木 そうした前橋さんの活動で、クラシックファンの裾野が広がっているんではないでしょうか。
前橋 今はさまざまな音楽がいろいろな形で流れています。だから、50年前の日本のクラシック音楽のあり方と変わっていかなければいけないかなって。そのために、もっと皆さんに親しんでもらえる場を提供できればなって思っています。
阿木 今や音楽は、若い人たちを中心にパーソナルなものになりつつありますよね。ヘッドホンで外界をシャットアウトして、自分の世界に入り込んでしまう。でも、劇場に行って生演奏を聴かなければ得られない感動ってあるはずですよね。私、コンサートに出向かないわりにはそう思っていて(笑)。
前橋 ライブは、わざわざ決められた時間・場所に集まってくださる方々との"特別な出会い"だと感じています。楽器は、その日の天候、気温や湿度、それにホールによって響き方が微妙に違います。好きなときに聴くことができるCDとは次元が違うものなので、それを楽しんでもらえたらと思っています。
阿木 バイオリンって、億ションが買えるくらい高価なものというイメージがありますが。
前橋 ピアノと比べたら、そうかもしれません。というのも、300年ぐらい前に作られたストラディバリウスなどは、代わりがないからです。
阿木 そもそも名器と呼ばれる楽器は、数が少ない。

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