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艶もたけなわ
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一路真輝 女優

2015年9月20日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載72

 元宝塚雪組のトップスターとして一世を風靡し、その後は女優として映像作品や舞台で活躍を続けている一路真輝さん。その一路さんの"武器"である広い音域に阿木さんは興味津々。英国で勉強してきた発声法の秘密から、プライベートのエピソード-。そして次回作の見どころまで余すところなく伺いました。お楽しみください。

 ◇朝起きてすぐ電話で「あ! もしもし」はダメ。喉が傷付いてしまいます。
 ◇好みの男性は「優しく支えてくれる人」だったのに、実際には亭主関白風でした(笑)。
 ◇なんとなく物足りなくなって、真逆タイプに魅力を感じ、気が付いたら結婚してました(笑)。


阿木 昨年から今年、行く先々の劇場のポスターで一路さんのお名前をお見かけしましたが、超ご多忙だったのでは?
一路 慌ただしくて、私生活がなくてんてこ舞いでした(苦笑)。
阿木 セリフ覚えは、いいほうなんですか?
一路 それがちょっと不器用なので、家でも常にずっと台本を持っていないとできないタイプです。本当は1年に2、3本やるのが精いっぱい。ですが、たまたま昨年は5本ありました。しかも、全部が新作で......。
阿木 再演ならセリフが入ってるからまだしも、新作は大変でしたね。一路さんの代表作の一つは「エリザベート」。主人公のエリザベートはオーストリア・ハプスブルク家最後の皇后で、非業の死を遂げますよね。それに死に神のトートが絡んで物語が進行しますが、一路さんはその両方を舞台でなさりました。この両極端な役を演じられた女優さんは、他にいないのでは?
一路 たまたま宝塚で男役出身だったことが大きいと思います。劇団では"男を演じ切ること"を叩(たた)きこまれ、退団してからは女優になったので、振り幅はすごく広いです。逆に、男役の形を作られすぎているので、その切り替えに苦労することが多いです。
阿木 「アンナ・カレーニナ」を拝見すると、響きのある低音から高音まで音域がすごく広いですね。
一路 私が宝塚に入団したときはまだ10代でしたが、なぜかそのときから低音がすごく出たんです。低い音が辛(つら)いっていう感覚は、私にはありえないものでした。私の場合、低い声が普通に出ていて、男役をやろうと決めてスタートしたので、逆(高音)が大変でした。
阿木 それで、ロンドンまでボイストレーニングを受けにいらっしゃった?
一路 私がエリザベートをやった頃、世界的に発声法が変わる時期だったんです。それまでは、「サウンド・オブ・ミュージック」「南太平洋」「王様と私」など、ファルセットが基本の発声でした。ところが、私が宝塚を退団した前後ぐらいに、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」など、地声を果てしなく伸ばしていく発声に切り替わっていきました。私は男役をしていたので、地声のまま歌いたいと思い、いろいろなミュージカルにチャレンジしたんですけど、いきなりそんな発声法を教えてくれる日本の指導者はいませんでした。そこでロンドンに行き、発声の勉強をし直したんです。
阿木 トレーニングの仕方が日本と全然違うんですね。
一路 私がロンドンの先生に言われたのは、発声よりも体を温めなさいということです。朝起きて、まず電話は禁止。たとえば、体の筋肉は、起き上がってすぐランニングをすると傷めちゃう。柔軟体操をしてからゆっくり走って体が温まってくると全力疾走もできる。喉の筋肉もまったく一緒。起きてすぐは絶対に大きな声とか出さないで、たとえばハミングで柔らかく「フンフンフン~♪」って言いながら使ってあげて、お風呂に入って温めて体を動かしてからだと、どんな大きな声を出しても喉は潰さない。でも、起きてすぐに電話とかで「あ! もしもし」ってやると、喉はびっくりして傷付いてしまったりするんです。

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