対談詳細

艶もたけなわ
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荒川静香 プロフィギュアスケータ

2015年8月30日号

阿木燿子の艶もたけなわ 連載69

 今もなお、多くの国民の目に焼き付いている華麗な氷上での演技で金メダルを獲得した"クールビューティー"、荒川静香さんは、常に沈着冷静な言動で知られていますが、それは両親への「感謝の念」からくるものでした。今、母親となり、新たな挑戦を迎える荒川さんに、阿木さんが挑む"イナバウアー対談"、お楽しみください。

 ◇娘が、なんとなく記憶に残せるくらい成長するまでスケートをやりたい。
 ◇フレンズオンアイスはご自身も出演しつつ、プロデューサーも兼ねていらっしゃいますね。
 ◇スケーターだからこそわかる、提案できる部分があるとの思いで創ってきました。

阿木 今年も8月28日から荒川さんらが企画プロデュースする「フレンズオンアイス」((注1))が始まりますね。夏に行うアイスショーとして定着し、子どもたちにフィギュアスケートの楽しさを教え、「夢と希望を与えたい」とのコンセプトはステキだと思います。ところで、荒川さんに初めてお目にかかったのは、皇居で行われた2009年の天皇陛下御即位20年をお祝いする国民祭典の会場でした。あのとき、マラソンの高橋尚子さんと並んでいらっしゃったでしょう? 金メダルを獲(と)られた方は、こんなにキラキラしているんだなって。あの日はものすごく寒くて震え上がりましたが、さすが"クールビューティー"。凜(りん)としていらっしゃった(笑)。
荒川 本当、寒かったですね。あの日、私はスカートをはいていってしまったので、言葉が震えてしまわないか、心配になりました。
阿木 荒川さんといえば、やはりトリノ・オリンピックでのイナバウアーの演技が今も目に焼き付いています。アスリートの皆さんは、国際大会では国の代表という意識が強くおありだと思うのですが、荒川さんは長野オリンピックに出場し、その後、世界選手権も経験なさっていらっしゃいますよね。リンクに出るときの緊張をどんなふうに克服なさるんですか?
荒川 その競技の代表として国民の皆様の税金を使って派遣していただくわけですから、「結果」と「誠心誠意尽くす」ということでお返しをしなければいけないという意識を感じていました。しかし、そうはいっても、1998年の長野のときは、まだ競技者としての経験が浅かったので、代表として戦うために何をどう準備していいのか、そのノウハウがなく、戦えるような力もありませんでした。2006年のトリノのときには、ある程度経験も積んでいたので、どういう戦いをすることが求められて、それが自分にとってどうリスクになるのか、「臨むための心の準備」ができました。アスリートであれば、参加するだけではなく、たくさんの方の声援に応えられるような準備と気持ちで、すべてを懸けて臨むのがオリンピックなんだと感じてます。
阿木 以前は、選手の皆さんがそれぞれの競技の前に「頑張ります」「全力を尽くします」とおっしゃるのが普通でしたが、ある時期から「オリンピックを楽しみたい」的なニュアンスの発言が聞かれるようになりました。それに対して、「税金を使って楽しみたいとは何事だ」というようなコメントがネット上に載るようになって。実は私も一部の選手たちの発言に違和感を感じていたので、そうだ、国の代表で参加するのだから、もっと重く受け止めてもらわなくちゃ困る、なんて思っていました。でも、荒川さんのコーチ、タチアナ・タラソワ((注2))さんが「オリンピックは楽しむもの。でも、それはすべてやれることをやった人が最後に感じるもので、自分の持てる力を出し切ることが喜びにつながるんだ」っておっしゃったとか。それを知って、自分の無知を反省しました。アスリートの皆さんの言う"楽しむ"という意味を誤解していたな、と。人事を尽くして天命を待つ心境が、その一言に集約されているわけですよね。

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