対談詳細

艶もたけなわ
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工藤夕貴 女優

2015年8月16日号

阿木燿子の艶もたけなわ

 かつて、輝きを放っていたアイドルは、内なる苦悩を抱えながら葛藤とチャレンジを繰り返しました。そうした中で傷つき、疲れ果て異国の地で辿り着いたのは、「感謝の心」。今や、強くてしなやかな母親役を演じられる女優へと成長していきました。20年以上の歳月を経て再会した工藤夕貴さんとの感動トーク、お楽しみください。

  •  上ばかりを目指していた自分が情けなく、涙が溢れて仕方ありませんでした。
  •  農業も夕貴さんがやるとお洒落になるんだなと思ったのが印象に残っているの。
  •  私が田舎に住み、農業をやると言ったら、皆、3年もたないと言いました。

工藤 阿木さ~ん!(部屋に入るなり、阿木さんに抱きつく) すごくお会いしたかったです。何年ぶりになりますか?
阿木 20年以上よね。私もどうしていらっしゃるかな、なんて思ったりしていて。初めてお目にかかった頃の夕貴さんは21歳。でも年齢よりずっと若く見えて、ピュアな少女のままという感じでしたよ。
工藤 そうですか~。あの頃、阿木さんとお仕事をさせてもらったのは、ミュージカル「魔女の宅急便」((注1))で、今でも私の大好きな作品です。劇中で使われた阿木さんの歌詞が、今聴いても胸に突き刺さってきます。
阿木 ミュージカルの後半、お母さん役の鳳蘭さんと夕貴さんが毎回、泣きながら歌ってくださって。上演中、何度も観に行かせていただきましたけど、私もその都度、客席で一緒に泣いていました。
工藤 毎回、ラストシーンに近づくにつれ、感動しちゃうんです。
阿木 そう、蜷川幸雄さんの演出が素晴らしくて......。今、あのときのテーマ曲「旅立ちの歌」をコーラスで練習しているの。メンバーと一緒に声を合わせて歌っていると、キキの衣装を着けた夕貴さんの姿が思い浮かんできて。
工藤 それはうれしいです。
阿木 最初から主役のキキ役は、夕貴さんだとわかっていたから、詞を書くときはかなりイメージをダブらせていて。人間界に降りてきた魔女が、いろいろな経験を積みながら大人になっていく設定だったでしょう? それが当時の夕貴さんのイメージにぴったりだったから、私の中ではキキが歌う曲は「けなげ」をテーマにしようと決めていたの。
工藤 あのときの楽曲は皆、今も深く沁(し)み込んできます。中でも「もみじのような手に」というフレーズが忘れられません。こういう気持ちでお母さんは子どもの手を見ているんだなって。でも、阿木さんにはお子さんはいらっしゃらないですよね。どうして、あのような詞が書けるのかなって。
阿木 女優さんは、経験のないことも演じるでしょう。作詞家もそう。もし私が母親だったらって、イマジネーションの世界で書く感じかな。でも、夕貴さんは見た目とは違って10代の頃からかなりアクティブに生きてこられたのよね。今日に至るまで絶えず"旅立ち"を重ねて、自分の道を自分で切り開いた感じで。きょうは、そんな夕貴さんの20年の軌跡をいろいろ伺ってみたいなって。お会いするにあたって、それが楽しみで。
工藤 私も楽しみです(笑)。よろしくお願いします。
阿木 「魔女の宅急便」の頃の夕貴さんって、いつもお母さんとご一緒でしたよね。まずはアメリカで一人暮らしをしようと思われたきっかけは?
工藤 私は12歳でデビューしましたが、14歳くらいのとき、アイドルでいることに対してジレンマを抱いていました。というのも、人に褒められたい、認められたいという気持ちで芸能界に入ったものの、歌が売れなかったら周りの態度も変わってきたりして、自分自身悩むようになってきました。さらに、一部の人たちから嫌がらせを受け、人間不信に陥ったりしました。
阿木 14歳で人間不信って、かなり切ない。何があったの?
工藤 地方のイベントで、生卵を投げられたり、ファンレターだと思って開封すると切り刻まれた写真だったり......。
阿木 熱狂的なファンの仕業かしら。でも、そういうのって防ぎようがないものね。
工藤 当時は穏便に済ますようにしていました。そういうことが重なって辞めたくなりましたが、それもできません。学校でもいじめに遭っていたので、売れなかったから辞めたと言われるのが嫌だったんです。辞めたい、辞められない、当時は本当、死にたい気持ちにまで追い詰められていました。
阿木 一人で苦しんでいたのね。
工藤 そのとき、ある監督から「外国では映画のキャスティングはオーディションで決められる。アカデミー賞女優だってオーディションを受けるんだ。君のような若い世代は外国を目指したほうがいい」と言われ、やる気になったんです。
阿木 それで、14歳でハリウッドを目指したのね。それには英語が必須だと思って猛勉強したわけね。
工藤 元々、英語は好きでしたが、改めて教材を揃(そろ)えたり、英語放送のラジオを聴いたりしました。

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