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アイドルが大学で学ぶということ Hey!Say!JUMP 伊野尾慧

2021年3月28日号

 どんな忙しさも「卒論プレゼン」を思えば越えられる

 歌に、芝居に、バラエティーに引っ張りだこ。芸能界の一線で活躍しつつ、一体いつ勉強する時間があったのかと思いきや、大学での学びを揺るぎない個性につなげるジャニーズのアイドルがいる。受験の心得から勉強法、キャンパスライフまでを明かす。

  ◇東日本大震災をどう伝えるかが課題  明治大理工学部建築学科卒

 今年は、東日本大震災から10年という節目の年です。地震が発生した当時、僕は明治大理工学部建築学科の2年生でした。その後、山本俊哉教授の都市計画研究室で震災復興に関するゼミに入り、幾度となく被災地を訪れたのです。ゼミは一般的には4年生からですが、いち早く現地入りしていた山本教授に希望を告げると、「じゃあ、一緒に行こう」と言われ、その数日後にはもう被災地に入っていました。その大学での経験は、僕の中に多くの示唆を与えてくれました。

 当時、ジャニーズ事務所で震災の募金活動をしていた伊野尾さんは、マスコミから度々コメントを求められた。現場も知らないのに発言することに違和感を覚え、被災地を自分の目で見たいと願ったのだ。時に数カ月にわたり現地で過ごしたりと、さまざまな調査を行った。

 被災地では、被災した時の様子や状況を、子どもから年配の方まで多くの人に聞き取り調査を行います。山本教授は夜も一緒に食事をしながら、地元の方たちの気持ちに寄り添い、心の奥底の声をくみ取っていくのです。そうやって心を通わせることにより、東北の地だと仮設住宅で暮らすのは寒くて大変とか、校庭に仮設住宅があると子どもたちが遊べないといった本音が聞こえてきます。そんな山本教授のコミュニケーション法から多くのことを学び取りました。

 僕は10歳の時に事務所に入ったこともあって、他人から「ジャニーズ」という色眼鏡や先入観で見られるのが嫌で自分から壁を作り、ストレートなコミュニケーションが取れない時期が長く続きました。だから人との接し方を学ぶという意味でも、本当に勉強になったのです。

 その経験は芸能の仕事にも役立ったという。バラエティーやドラマに出演する際も、番組作りに携わるスタッフたちの思いに耳を傾けることができるようになった。被災地の人々との交流の中で、伊野尾さんもまた一人の人間として成長を遂げたのだ。

 そんな経緯もあって、大学卒業後も「24時間テレビ」(日本テレビ系)や木曜レギュラーを務めていた「めざましテレビ」(フジテレビ系)などの番組で度々、被災地に赴きました。

 その上で最近、本当に難しいなと感じるのは、震災に遭われた方たちの心の傷を、どのように伝え、届ければいいのかということです。ただ「つらい」と言うのも、ただ感動させるのも、どちらも違う。今は震災を知らない子どもたちも増えています。誰に、どのように伝えればいいのか。それはこれからの自分の課題として考え続けていきたいと思います。

 そして今後は震災に限らず、集中豪雨などの自然災害や、いじめに遭うなど大変な現実に直面している方々に、少しでも寄り添った報道に携わることができればと考えています。というアイドルの一員でありながらそういった活動ができるのも、すべては大学に進学したおかげです。

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