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「アリ地獄天国」など力作ぞろい 今年も「レイバー映画祭」を開催

2019年8月11日号

 「レイバー映画祭」は今年で13回目を迎える。主催はレイバーネット日本で、年々自前の作品が増えている。そのホームページには毎日動画ニュースなどがアップされているが、最初は4、5分程度でも一つの問題や事件を時間をかけて追いかけるうちに一本の映画に仕上がっていく。その特徴は、本欄でもこれまで紹介してきたローカル民放局のように現場に密着し、"下から目線"でとらえ続けたところにある。

 今度の映画祭の目玉となる土屋トカチ監督の「アリ地獄天国」もその一本で、見応えがある。これは、大手の引っ越し運送業で起きた一人の青年の3年に及ぶ闘いに光を当てたドキュメンタリーだ。

 この会社は従業員約4000人もいながら組合がなく、会社の言いなりだった。青年はそこでの不当性に堪忍袋の緒を切らし抗議した。それが会社の怒りを買い、懲罰として青年を粉塵(ふんじん)の舞うシュレッダーの仕事に追いやった。それがなんと2年も続く。

 そこで青年は一人でも入れるユニオンに加入する。その抗議行動の日、会社前の大通りが騒然となる。会社の幹部がユニオンの車に怒鳴りにやってきたからだ。土屋はそれをカメラで撮ってレイバーネットのホームページに流す。すると、アッというまに45万回(2カ月で220万回)も動画再生されたのだ。

 土屋はその後も会社ビルの反対側にあるビルの窓のブラインド越しに青年の働く姿を撮り続ける。そしてついに最後まで見届けることに。その勇気ある青年のさわやかな笑顔がいい。

 この他、約30年前に韓国で作られた劇映画「ストライキ前夜」も公開される。今年ようやく韓国で劇場公開されたのを機に映画祭でも上映されることになった作品だ。「外国人収容所の闇」などの中編をはじめ、世界の闘う人々を描いた6本の「ショートプログラム」からも目が離せない。(木下昌明)

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