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「霊長類最強女子」マットに別れ 吉田沙保里「引退表明」今後は?

2019年1月27日号

 高速タックルを武器にレスリング女子で五輪3連覇、16大会連続世界一など数々の記録を達成し、2012年に国民栄誉賞を受賞した「霊長類最強女子」吉田沙保里(36)=至学館大職=が1月8日、現役引退を明らかにした。

 五輪4連覇を目指した16年リオデジャネイロ五輪決勝で敗れてから試合出場はなく、選手兼任で日本代表コーチとなり、16年11月から昨年8月まで至学館大の副学長も務めた。最近も本格的な練習はせずにCMや芸能活動に力を入れ、20年東京五輪出場への意欲が懸念されていた。
「33年間のレスリング生活に区切りをつけることを決めた。日々迷いながらきたが、レスリングは全てやり尽くした」(同10日の引退会見)
 それにしても、なぜ今、引退表明なのか。東京五輪挑戦となれば、年齢などの事情もあり、長いブランクで落ちた筋力や試合勘を取り戻すためのタイムリミットでもあった。昨年10月に実戦復帰して同12月の全日本選手権を制した伊調馨(かおり)(34)=ALSOK=は、復帰の半年前から本格的な練習を再開した。吉田は全日本選手権を欠場した時点で、可能性が消えたといえる。
 吉田はリオ五輪での4連覇を花道に引退する予定だった。敗戦でその後の進退に迷いが生じたのではないか。14年3月に父の栄勝さんが急死、恩師の栄和人氏もパワハラ問題で指導者の座を追われた。精神的にも大きなショックを受けていたに違いない。栄勝さんは常々、吉田に「引き際は大事だ。国民栄誉賞をもらうというのは、そういうことだ」と話していたという。
 吉田は圧倒的な練習量で自らを厳しく追い込んでいたが、それができなくなったことで東京五輪をあきらめざるを得なくなった。だが、吉田の技術と経験を今後に生かしたい。「東京五輪では選手の精神的な支えになれたら」と話した吉田。指導者として、マットの下から選手を激励しているはずだ。
(水木圭)

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