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二刀流・メジャーのモンスター大谷翔平 「ベーブ・ルース超え」へ5つのハードル

2018年4月29日号

 投げれば三振の山を築き、打っては3戦連続アーチ。衝撃のメジャーデビューを果たした大谷翔平(23)の勢いが止まらない。ベーブ・ルース超えが現実味を帯びてきたが、そこには幾つもの高いハードルが待ち構える。

 鮮烈なメジャーデビューは3月29日のアスレチックス戦。8番DHで出場し、初打席でいきなり初球をライト前に打ち返した。4月1日には投手として先発。初登板初勝利を挙げ、2日後には初本塁打を放った。勝利投手が2日以内に打者として本塁打を記録したのは、"元祖二刀流"として知られるベーブ・ルース以来、97年ぶりの快挙だった。
 そこから3戦連続のアーチで日米を熱狂させると、4月8日、2度目の登板では七回1死までパーフェクトに抑える圧巻の投球で、「もしや」と思わせた。この試合では12個の三振を奪う快投だった。その後の2試合も安打を放ち、期待にたがわぬ活躍だ。開幕10試合で2勝、3本塁打は実にメジャー史上99年ぶりの大記録である。
 慶應大名誉教授で「アメリカ野球愛好会」顧問の池井優氏はこう語る。
「これまでとは異質の選手が現れたと、本当に驚いています。私は1964年に日本人初のメジャーリーガーとなった村上雅則から見ていますが、そこから野茂英雄の活躍まで30年を要しました。投手の考え方を変えたのが野茂であり、打者としての変革者がイチローです。その後、松井秀喜や田中将大など、いまや日本人メジャーリーガーが当たり前のように活躍するようになった。その帰結が大谷だったのだと思います」
 日本人選手がメジャーに挑戦していく過程には、先達の労苦の足跡がある。それを踏まえて、日本の野球が国際的にも通用し認められてきた。
 大谷もまた、開幕前は苦しんでいた。オープン戦では打率1割2分5厘、本塁打はなく、投手としても防御率10を大きく超える内容だった。現地メディアの多くは「マイナーで500打席の経験が必要」との懐疑的な論調が多数を占めていた。二刀流はさび付いてしまったのかと、ファンも不安が募っていたはず。
 そこから一転、伝説的なデビューを可能にした理由はどこにあるのか。
「それは修正能力にあります。開幕3日前、足を上げないすり足打法に変えました。その対応能力が素晴らしい。それまでの手法を直前に変更するのは、勇気が要ることです。あの王貞治さんでさえ一本足打法にするのに、荒川博コーチと随分悩んだ末の選択だったといいますから」(池井氏)
 すり足打法を取り入れることでシンプルなスイングになり、速いボールや変化するボールへの対応が格段に上達したのだ。
 一方の投球は米国のボールに慣れたこととともに、ボールの握りを微妙に変えながら試行錯誤していたのが奏功している。そのため速球が160キロ超と伸びが増し、スプリットも激しい落差を見せるようになったことで、安定した投球を実現している。

 ◇「10勝10ホームラン以上は堅い」

 こうなると、かのベーブ・ルースを超える選手になるかという点に注目が集まる。しかし、そこには超えるべき高いハードルがあるという。

(1)厳しい内角攻めへの対処

 野球ライターの京都純典(みやこすみのり)氏は、強打者ほどインコースを攻められると指摘する。
「大谷選手は日本で1170回打席に立ち、死球は四つしかありません。同様に松井秀喜は5506打席で39個、イチローは4098打席で59個。大谷はこれまで、厳しいインコース攻めに遭っていない。ところが米国ではそうはいきません。どんどん内角に投げ込んできます」
 腰が引けてしまえば、あっという間にスランプに陥る可能性がある。その時どう対処するか。
「当然、球団のバッティングコーチやスコアラーがデータを示しながら、対応を考えていくはず。加えて修正能力を生かし、柔軟な考え方で事態を打開するはずです。いずれにしても、そうした状況は近い将来訪れるでしょうから、そこが彼の真価が問われるところです」(池井氏)

(2)けがをいかに防ぐか

 京都氏の指摘のように、内角攻めが増えれば、死球を受ける確率も上がる。
「その際、どれだけよけられるか、あるいはどれだけ致命傷にならないように死球を受けるか。そこが大切になってきます。もし右腕にもらうと投手生命にかかわります。走塁時のけがにも気をつけたい」(京都氏)

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