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羽生結弦 4年後も"王者"! 絶対王者の「次なる野望」

2018年3月11日号

 やはり絶対王者の座は揺るがなかった。平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で圧巻の演技を見せた羽生結弦選手(23)。だが、その裏には、追われる身の重圧にギリギリまで苦しんだ姿があった。偉業の光と影、そして、さらなる高みを目指すという今後は―。

▼ユヅの理想は「五輪王者のまま引退」

「感謝です。右足に感謝しかない」
 今シーズンはけがに苦しみながらも、66年ぶりの五輪連覇という最高の結果を残した羽生。滑り終えた直後、けがをした右足を触り謝意を表した。そのことを報道陣に問われて語ったのが冒頭の言葉だった。そしてこう続けた。
「右足が頑張ってくれた。けがのせいで練習できないことも含めて心配をかけましたが、今まで以上の強いサポートがありました。恵まれていました」
 昨年11月のNHK杯の練習中に転倒して痛めた右足首。一時は五輪出場さえ危ぶまれるほど、右足首は悲鳴を上げていた。演技後の会見で羽生は、不安だった日々をこう振り返った。
「最初に診断された靱帯(じんたい)の損傷だけではなくて、いろいろなところを痛め、氷に上がれない日々が長かった。でもこうやって、笑顔で終わることができてよかった。それに尽きます」
 大きく揺れる心に鞭(むち)を打ち、不安と焦りを払拭(ふっしょく)してきた。元五輪選手の渡部絵美さんは絶賛する。
「金メダルが決まった瞬間の羽生君の涙が、すべてを物語っていたように思います。フリーの冒頭で4回転サルコーを成功させ、4カ月ぶりの実戦で体力的にはきついはずなのに、後半では4回転サルコー―3回転トーループを見事に決めました。あそこまで自分を信じ切れるのは、それだけの基礎練習を積み重ねてきた賜物(たまもの)としか言いようがありません」
 実は、予定ではフリー冒頭には4回転ループを入れるはずだった。ところが前日の練習でこのジャンプを失敗していた。フリー当日の朝、演技の変更を決めた。
「朝、起きた感じで、自分で決めました。理由はいっぱいあります」(会見より)
 試合当日まで、けがの回復具合を見ながら演技の内容を検討するギリギリの選択をしていたのだ。
 1本目のジャンプを成功させると、固唾(かたず)をのんで見守っていた観衆が、大歓声と拍手で羽生を後押しした。流れるような迫真の演技でフィニッシュ。羽生は戦い抜いた。演技構成の難度をやや落としながらも、今できる最高レベルの演技を見せたのだ。何を為(な)せば勝てるのか、その術(すべ)を知り尽くしているクレバーさも一流の証しだろう。
 表彰式では満面の笑顔で表彰台に飛び乗り、喜びを表現した。その後の会見で、「お陰さまでこうやって、自分の人生史上一番幸せな瞬間を過ごさせていただきました」
 と、羽生節で語った。
 また、2月18日放送の日本テレビ系「シューイチ」に生出演し、けがから大会本番までの苦しかった胸の内をこう明かした。
「スケートの感覚がつかめなかった時期が長かった。ジャンプを跳び始めてから2週間、ここに来てからまでを含めたら3週間。いいイメージを持って、それにタイミングを合わせていく作業が一番大変でした」
「(2連覇)するんだという意志はすごくありました。いろいろなものを自分に言い聞かせながら。とにかく五輪で連覇をするためだけに、ここまで生きてこれたなって思っています」
 連覇には悲壮な覚悟があったのだ。同日、TBSの五輪中継にも出演。MCの中居正広とこんなやり取りがあった。
中居「羽生選手のドラマ、生のドキュメントを見ているようでした」
羽生「誰かが書かれていたんですけど、これマンガだったら却下されるよなって」
中居「マンガとかドラマでも、こんなにきれいにシナリオ化しないですよ。2連覇、ご自身ではかっこいいなって思いますか」
羽生「かっこいいなっていうか、これ以上ないでしょう、っていう(笑)」
 記者会見でも「この勝利がどのくらいドラマチックだったか」と問われ、「マンガの主人公にしては出来過ぎなくらい、設定がいろいろあった」と答え、「小さい頃から描いていた夢の中で、やっと中間点くらい」と現在の心境を明かした。
 まだ夢の途中――。

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