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脚本家・倉本聰大いに語る 「やすらぎの郷」を書かせた広くて深い怒り

2018年1月28日号

 昨年のドラマ界の大収穫といえる「やすらぎの郷」(テレビ朝日)。老いの残酷さ、認知症、死、テレビ史、女優論など、これまでテレビが扱うことを避けてきたテーマと正面から組み合った画期的な作品だった。脚本は巨匠・倉本聰氏。ドラマが映し出す、現実の"日本"をどう見ているのか、歯に衣着せぬ話を聞こうと、北海道・富良野に飛んだ。

聞き手/岩切徹

――楽しかったですね、「やすらぎの郷」のキャスティング。

倉本 古ダヌキ、古ギツネがいっぱいいて恐ろしい現場でした。プロデューサーは大変だったと思いますよ、わがままな人間ばっかりだから。
――(実生活でも深い関係にあった)石坂浩二さん、浅丘ルリ子さん、加賀まりこさんが一緒に出てきたときは、おうと声が出ました。
倉本 あれは別にどうということはないんです。ルリ子とまりこは、石坂浩二を挟んでお互い恋敵といえば恋敵なんだけど、年を経てますからね、もう乾ききっている。ふだんから仲いいですよ、ルリ子とまりこは。
――ドラマが終わって、レギュラー陣は呆然(ぼうぜん)としてるんじゃないですか。それぐらいみなさん、イキイキと演じていた。連絡はないですか。
倉本 あんまりぼく、話さないようにしているんです。まあ、ときどき電話がかかってきますけど。
――あのドラマは怒りで書かれたそうですね。
倉本 ええ、テレビ局を含むテレビ界に対する怒り、それに演技者、演出家、あらゆる人たちに対する怒りもあった。テレビ局に関して言うなら、DVDやインターネットの時代だというのにいまだに視聴率というものに踊らされているし、旧弊なゴールデンタイム神話に縛られている。今回も録画して見ている視聴者がものすごく多かったんですが、それは数字に出てこないわけです。
――1974~75年放映の「6羽のかもめ」(フジテレビ)も怒りで書いていらした。最終回の「さらばテレビジョン」では、酔っぱらった放送作家(山崎努)が「テレビドラマは終わったんだ!」と怒りをぶちまけていましたが、あそこでも視聴率のことが語られていました。
倉本 言ってましたね。でも、あのときはまだ浅くて強い怒りだった。同じ怒りでも今回は広くて深い怒りです。

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