スポーツ・芸能詳細

News Navi
loading...

「マエストロ」小澤征爾の音楽塾 来春の公演はビゼー「カルメン」

2016年12月25日号

 世界的指揮者の小澤征爾氏(81)が若手を育てる音楽塾オペラ・プロジェクトの第15回公演(2017年3月)の演目が、ビゼー作曲の「カルメン」と決まった。演出はデイヴィッド・ニース。カルメン役がサンドラ・ピクス・エディ、ドン・ホセ役にはチャド・シェルトン。管弦楽は、若手を選抜した小澤征爾音楽塾オーケストラ。
 12月2日、京都で開かれたトークショーでは、同塾でコーチを務める指揮者の宮本文昭氏が「小澤先生の音楽は、音が出ていないところに凄(すご)さがある。若い演奏家はそれも感じてほしい」と解説すると、小澤氏の愛娘で作家の征良さんはこんな秘話を明かした。
「若い頃の父はシンフォニーなどが中心でしたが、ある時、(20世紀を代表するオーストリアの名指揮者の)カール・ベームさんが本番前にけがをされ、代役で急きょモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』を振って、オペラの重要さに気が付いたそうです」
 同塾は「フィガロの結婚」「蝶々夫人」など人口に膾炙(かいしゃ)したオペラが中心。「カルメン」といえば、奔放で情熱的な女性・カルメンと竜騎兵の伍長との恋と葛藤を描いた傑作だ。最後に登壇した小澤氏がこう話した。
「カルメンのストーリーはあまり小学生には聞かせたくないけど、音楽は素晴らしい。お子さんのコーラスもありますよ」
 小澤氏と交互にタクトを振る弟子の村上寿昭氏が「ドイツでビゼーの曲を振ると何か感じが違う。今度のカルメンはアメリカの歌手が多い」と不安を打ち明けると、巨匠がこう切り返す一幕もあった。
「音楽をやるのに自分(の国籍)は何人(なにじん)とか、どの国の人だからとは考えない方がいい。考えた瞬間にリミット(制約)が出てしまう。それより作曲者の楽譜を研究することだ」
 偉大なるマエストロの溌剌(はつらつ)とした姿を見られるのは楽しみだ。
(粟野仁雄)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    黒田福美 女優・エッセイスト

    2017年11月19日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 178   芸能界きっての韓国通として知られる女優の黒田福美...

コラム