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ドクターX~外科医・大門未知子~大当たりするワケ=亀和田武

2016年10月30日号

米倉涼子(41)が主演するテレビ朝日の連続ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の第4シリーズが、10月13日放送の初回で20・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録した。なぜ、当たり続けるのか? 作家でコラムニストの亀和田武氏が読み解く。

 この秋、ついに「ドクターX~外科医・大門未知子~」が戻ってきた。
 テレビには医療ドラマが欠かせない。手を替え品を替え、毎クール、1、2本は放映されているが、翌月になれば粗筋も忘れてしまう程度の作品が大半だ。
 そこへいくと、米倉涼子演じる「ドクターX」のインパクトは圧倒的だった。第1期の開始は2012年の10月。腐敗しきった大病院の医局に、組織に属さない一匹狼の女性外科医が乗りこむ。手術で回復、生還の余地がないとみなされた重篤な患者を、彼女は超絶スキルを駆使して病巣を除去し、命を救う。
 第1話の放映直後から、「ドクターX」にメディアも視聴者も釘(くぎ)づけになった。米倉の演じる外科医が、文句なしに格好いいのだ。
 フリーランスの医者。この設定が視聴者の共感を呼んだ。大病院に槍(やり)を置き、生活と身分がとことん保障された"お医者様"ではなく、ボロ家に居を構える医師紹介所から各病院に派遣されるフリーの外科医、それが大門未知子だ。
 医局のヌルマ湯に浸(つ)かった医師たちは「あんな女に危険な手術が、まかせられるか。フリーランスの医師って、つまりハケンだろ」と意味なく威張る。
 非正規雇用、ハケン、そしてフリーター。世界に冠たる差別社会のこの国で、自分の腕一本で世の中を生き抜き、さらに見捨てられた人の命を救っていく。
 ファンタジーだよ。こんな医者が実際にいるわけない。だけど作り手が、設定やストーリーを緻密にこしらえ、役者がヒロイン役を大胆にそして周到に演じれば、観る側は手術が成功したとき、大きなカタルシスを覚え、一瞬「夢」をみることができる。
 大組織に属さない女性外科医。「彼女にあるのは医師のライセンスと、叩(たた)き上げのスキルだけだ」とナレーションが流れ、マカロニウエスタン風の音楽がかぶさる。気持ちが昂(たかぶ)るぜ。
 スキルも凄(すご)いが、ヒロインが視聴者の心をワシ掴(づか)みにしたのは、権力者に媚(こ)びず、おもねらないクールな姿勢だ。毎回、お約束で交わされる病院側と未知子の契約シーンは何度観ても、痛快このうえない。
 医師紹介所の所長、神原晶(岸部一徳)が、いんぎんに仕事の条件を説明する。

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