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井山名人「囲碁7冠」へ足踏み 伊田十段が見せた王者の意地

2016年5月 1日号

 囲碁界前人未到となる「7冠」達成の偉業まで、あと1冠に迫った井山裕太名人(26)。記録達成がかかった「十段戦」(五番勝負)第3局は、4歳下の伊田篤史十段(22)が意地を見せた。
 井山名人が先行して2勝を挙げ、4月14日に長野県大町市で行われた第3局。詰めかけた報道陣にも、「注目されるのはありがたいことです」と冷静に応じた井山名人。スーツにネクタイ姿で大一番の勝負に臨んだが、初防衛を目指す伊田十段に屈した。
 前半は名人が左下隅と上辺に地を確保し、有利に展開した。しかし、伊田十段は左上隅に勝負手を打ち、コウ(劫)=石の取り合いが同じ場所で無限に続く局面で、別の場所へ打たなくてはならない=の争いで粘りを見せて形勢が逆転。269手までの中押し(最後に陣を数える前に大局で勝負がつくこと)で、勝利を収めた。
 本来、主役は防衛戦で勝利した伊田十段のはずだが、質問はどうしても投了した井山名人に集中。対局場となったホテルは井山名人にとって過去3敗と相性が悪いことを問われると、「好きなホテルですよ」と笑顔で気遣い、「それなりには戦えたが、大事なところで踏ん張れなかった。(第4局は)自分なりの戦いをしたい」などと話した。
 1962年から4冠だった囲碁のタイトルは、75年に天元、76年に碁聖、77年に棋聖が加わって7冠となったものの、4冠の時代でも4冠を達成した棋士はいなかった。井山名人は史上最年少の20歳で名人位を獲得、2013年に史上初の6冠を達成した。
 愛弟子の戦いに、恩師の石井邦生九段(74)は「ここ1年間は、結果的によく勝ってはいるが、内容的にはどれも僅差です。全冠制覇は甘くはないはず。伊田君より少し上回っている経験値を生かしてほしい。勝負はこれからですよ」と期待する。
 第4局は4月20日、東京都千代田区の日本棋院本院で行われる。
(粟野仁雄)

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