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人生100年時代を豊かに生きる

2015年4月19日号

 1922(大正11)年4月2日生まれの『サンデー毎日』は、今号で満93歳。人生50年といわれた創刊当時から平均寿命は30年以上延び、もはや100歳は珍しくない時代になりました。どの国も、どの時代もモデルとならない未知の長寿社会で、小誌はその伴走者を目指します。毎日新聞出版刊の第1号は、人生を楽しむ"達人"たちからのメッセージ――。

  •  忘れたら、足せばいい=コメディアン・萩本欽一(73) 大学にはね、"足し算"をしに行くの。
     去年の4月から受験勉強を始めて、この春から、73歳にして駒澤大仏教学部の1年生になります。大学受験に挑戦したのは「認知症対策」(笑)。もう少し突っ込んで言うと、「人生100年時代を豊かに生きるため」なんだよね。
     年を取ると、どうしてもものを忘れていっちゃう。でもね、なくなっていくものがあるんなら、別の何かを足していけばいいって気付いたの。そうすればプラスマイナスゼロ。あわよくばこの年でもプラスにまでもっていけるんじゃないかって。そうして勉強を頑張ったら受かっちゃった。合格通知は僕にとって「あなたはプラスにできました」っていう証明なんです。
    〈高校卒業後に浅草で芸人になり、1966年に故・坂上二郎さんと「コント55号」を結成。80年代には「欽ドン! 良い子悪い子普通の子」など、冠番組三つすべてが視聴率30%を超え、「視聴率100%男」とも呼ばれた〉
     若くて無名の時代は、とにかく「上に行ってやろう」って頑張った。それで視聴率100%も達成できたし、長野オリンピックじゃ閉会式で司会もやらせてもらっちゃった。芸能界ではある程度高い所まで来ちゃったんだよね。だから、去年の3月に大劇場を引退したのをきっかけに、もう一度、一番下に戻りたくなったの。「1年生」からやり直すのも悪くないなって。
     受験勉強は毎日続けて、夜中まで10時間以上になることもあったのよ。英語なんて「三単現のs」からだよ。でも、僕はコメディアンだからね。「climate(気候)」という英単語は、「クリ待て、聞こう」なんて小話にして覚える(笑)。ずっとやってきたネタ作りのような勉強法を編み出したんだよ。
     勉強を始めてすぐの頃は、しんどかったよ。脳みそも「もう世間並みに楽させてくれよ」って悲鳴を上げていたと思うんだよね。でも、歯を食いしばって続けていくうちに、ちょっとずつ覚える速度が上がっていって、脳もついに観念したよ。「この年までこき使いやがって。まあでも"それなり"には付き合ってやるよ」ってね。そこからは勉強が楽しくなっちゃった。
     合格、うれしかったよぉ。うちのスタッフには「大将、いよいよ学割ですね」って冷やかされて。でも、「シルバー割の方が安いじゃねえか」なんてオチもついたり(笑)。テレビの収録がない限り、毎日でも通うつもり。これまでの人生では手に入れられなかったものを学び尽くしたいね。キャンパスで若者に囲まれて、ツイッターで「隣に欽ちゃんなう」なんてつぶやかれるのも楽しいな。
     でも、駒大には高齢の学生が60人ほど在学しているっていうじゃない。そこで、ある"野望"を抱き始めたんだよね。

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