菅義偉内閣は支持率に回復の兆しが見えない。そして、司令塔ともいえる首相官邸が、政策決定で〝目詰まり〟を起こしているというのだ。その一因には〝菅流〟の政治手法がある。さらに、安倍晋三前首相に近い官僚らの姿も見え隠れする。
最初に違和感を持ったのは昨年12月だ。ニコニコ動画番組で対談した菅義偉首相には「GoToトラベル」を是が非でも続けるという空気はなかった。最初こそ停止は「考えていない」。だが、質問を重ねると「(政府の新型コロナウイルス対策)分科会の意見も踏まえ、全国の都道府県知事と調整していきたい」。そして、去り際に私へ「経済を止めたくないんだけどなあ」と呟(つぶや)いた。逆説的だが、「止めたくないが『止めなきゃいけない』と思っているのだろうなあ」と感じた。
ただ、政権幹部や国土交通省幹部、自民党政調幹部の大半は番組終了後、「(停止は)考えていない。(菅首相は)経済にこだわっている。GoToもそのまま」と断言していた。菅首相は数日後、GoToを止(や)めた。そして、冒頭に挙げた違和感を抱いたのだ。
《首相官邸内の風通しはうまく行っているのか―》
それが確信に変わったのは、年明けの緊急事態宣言だ。首都圏の1都3県へ発令した後の1月8日だ。大阪、京都、兵庫の2府1県が国に緊急事態宣言を要請する方針を表明した。
その夜、私は官邸内の2人に尋ねた。1人は「首相は(対象地域の拡大には)慎重。経済への打撃が大きい」。別の1人は「関西にも出すつもりで準備するだろう」。ともに菅首相に近い。だが、解説は真逆だった。菅首相は結局、同13日に愛知県や福岡県にも宣言を出した。
今、間違いなく側近すら菅首相の意向を正確に把握できていない。官邸内の〝パイプ〟は詰まっている。
原因は何か。一つは菅首相の政治手法による。20年近く菅氏と付き合いのある与党ベテランは言う。
「菅さんは事を進める時は、前触れなしにいきなり行く。事前に話を広げると反対意見や潰す動きも出て、時間もかかる。必要最小限の根回しだけして、後はドーンと行く。実現してきた政策は、多くがそうだ」
実は、最近も秘話がある。
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