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祝・初のOB首相! 狂喜乱舞とはいかない「ああ法政」

2020年10月 4日号

「立教に勝った」「全共闘の影響は...」

 菅義偉首相(71)は法政大出身者として初めての首相だ。母校関係者はさぞ狂喜乱舞かと思えば、さほどでもない。むしろ「喜ぶべき事態なのか」といぶかしむ人が少なくない。法政大といえば、「自由と進歩」を使命に掲げ、リベラルな校風。出身者らの意見を聞いた。

 菅氏は1948年、秋田県の山深い農村に生まれた。「東京で自分の力を試してみたい」と農家を継がず、67年に高校を卒業すると、東京都板橋区の段ボール工場に就職。東京・市ケ谷に校舎がある法政大法学部政治学科に入学したのは、東京大安田講堂事件があった69年だ。

 土門拳賞を受賞した写真家の鬼海弘雄さん(75)は生い立ちが菅氏に酷似している。現在の山形県寒河江市に育ち、高卒後に県庁に就職するも1年で退職して上京。法政大文学部哲学科に進んだ。卒業したのは、菅氏が入学した69年だ。その後、「人間を知るため」にトラック運転手、造船所工員、遠洋マグロ漁船乗組員などを経て写真家になった。

「私の家は早くからサクランボ栽培に着手し、まずまず成功した農家。親父(おやじ)は村議や市議を務めました。私は8人きょうだいの末っ子で、姉は山形大を出て教員になりました。菅さんと境遇が似てますね」

 菅氏の生家はイチゴ農家。父親は町議を務め、姉は高校教諭になった。

「菅さんは誰とでもスッとなじめるようですね。東北人は不器用だから、そういうタイプはめったにいません。政治家はどこかで夢を語らねば成り立たたない職業だと思いますが、今まで菅さんは、そんな場面を見せなかったですね。彼には法政出身者のにおいも、東北のにおいもしません」(鬼海さん)

 東京・高円寺でリサイクルショップ「素人の乱」を経営する松本哉(はじめ)さん(45)も、菅氏に似た印象を持つ。

「市ケ谷キャンパスに漂う空気感を少しでも味わった人なら、どこか同じにおいを感じるものです。ところが、菅さんからはまるで感じません。菅さんは法政の4年間をどう過ごしたのか」

 松本さんは法学部2部(夜間部)に入学後の96年、市ケ谷キャンパスの再開発や学費値上げなどに反対し、「法政の貧乏くささを守る会」を結成した。

「法政では全共闘が収束してから、73年の学館(学生会館)建設に向けて一致団結した歴史があります。菅さんの在校期間はその時期だったはず。在学中、剛柔流空手道部というサークルに所属したそうですが、法政では体育会の学生であっても、右派の考えを持つ学生はそれほど多くはいません。彼はどうだったのか気になります」(松本さん)

 法政大出身の作家、吉田修一氏(52、経営学部)は小説『横道世之介』(文春文庫)の舞台に法政大と思(おぼ)しきキャンパスを選んだ。題名と同じ名前の主人公は長崎県から上京し、入学式に参列する。隣に座った学生が「僕は早稲田に落ちた。〝仮面浪人〟をする」と世之介に告げる場面がある。在学しながら他大を目指して受験勉強をすることだ。

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