太平洋戦争の末期、日本海軍が起死回生を期待した戦闘機「紫電改」の精巧な実物大模型が兵庫県加西市の海軍鶉野(うずらの)飛行場跡に展示され、話題を呼んでいる。
紫電改はゼロ戦の後継として川西航空機(現新明和工業)が開発した「紫電」の改良型だ。約400機が生産された。全長約9・4㍍、翼長約12㍍。エンジンはゼロ戦の2倍となる約2000馬力で、スピード(時速約600㌔)や上昇能力は優れていたが、「操縦しにくい」と言われた。ゼロ戦の弱点だった被弾対策として燃料タンクの消火装置が装備された。初陣は1944年12月。45年3月には松山沖で米軍機58機を撃墜したとされるなど評価を高めたが、米軍機F6Fに外形が似ていて戦艦大和に誤射されたこともある。
航続距離が短い局地型戦闘機のため、「特攻」には使われなかった。
戦後はちばてつやの少年漫画『紫電改のタカ』(1963~65年)が取り上げ、読者の間で人気があった。実物は米国のスミソニアン航空宇宙博物館などのほか、海底から引き揚げられた1機が愛媛県愛南町の紫電改展示館に展示されている。
加西市には、紫電と紫電改が試験飛行をしていた鶉野飛行場跡、その周辺にある巨大な防空壕(ごう)や弾薬庫、敵機を迎え撃つ対空機銃座など戦争遺跡群がある。同市はそれらを整備して平和学習などに活用し、約1500万円かけて紫電改のレプリカを製作した。
2019年6月から一般公開してきたが新型コロナウイルスの感染防止のため中止し、今年6月に再開したばかり。毎月第1、第3日曜日の公開日は屋外に出す。それ以外の日は格納庫を模した備蓄倉庫に収納しているが、常時公開できる展示場を作る予定。
加西市の井上銀次郎・鶉野未来課主任は「戦争に使われた実物に近い物を見て、平和の尊さを感じていただければ」と話す。問い合わせは0790・42・8757。
(粟野仁雄)
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