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東京・江戸川のFMラジオ局 台風情報をリスナーと伝え合い

2019年12月 8日号

 地元密着ラジオ、コミュニティFMは全国に300局以上あり、災害時にはピンポイントの放送ができる。13都県で90人以上が死亡した10月の台風19号で、東京都江戸川区のコミュニティ放送局FMえどがわ(84・3MHz)は、どう対応したのか。

 江戸川、荒川など五つの川が流れる江戸川区は人口約70万人、7割が満潮時に海面より低いゼロメートル地帯。開局22年の同局は台風発生の10月12日、近年なかった災害放送に取り組んだ。午前の3時間の情報番組は、地元に明るいベテランの市川洋子さんが、午後の4時間のリクエスト番組は日ごろディレクターの松尾典枝さんが代打パーソナリティーとなって台風情報を伝えた。

 市川さんは「高齢者、単身者の不安を考え、なるべく平常どおりの放送を」と心掛けたという。午前9時45分、新中川以西の約43万人に避難勧告が出た。市川さんは「『以西』ではわかりづらい。町名で伝えました」。松尾さんは「放送中、局へのメール数がふだんの2〜3倍になり、聴いている方が刻々増えていると実感した」と振り返る。

 台風は夜間に最接近し、午後7時から午前0時まで特番を設けた。市川さん、松尾さんに、翌朝の担当だった小林修也さんも加わった。

 市川さんは語る。「いち早く区の情報を流すと、今度はリスナーが新しい現場情報を投げ返してくれる。リスナーと時間を共有し、一緒に番組を作っている感覚に。水害ハザードマップが行き渡り、皆さんの防災意識が高かった」

 松尾さんは「ラジオの特性である声の力は大きく、『一緒に乗り切っていきましょう』の言葉がリスナーさんとの間でこだまして、お互いを励ますことになりました」。

 区内の被害は死者ゼロで4人負傷。停電は約5600件。もし川が氾濫(はんらん)していたら別の対応を余儀なくされていただろう。検索すれば「コミュニティFM」の全国一覧が確認できる。(南條廣介)

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