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芸術の秋は耳で"効く" ココロとカラダを癒す「音楽療法」 「懐メロ」の3大反応、不安や不眠を解消する「愛の周波数」とは

2019年10月20日号

 「健康法」と聞くと、まずは食事制限やハードな運動を思い浮かべる向きが多いだろう。だが、歌を歌ったり、音楽を聴くだけで、さまざまな効果が期待できるという。世界的にも難聴が認知症のリスク要因になるといわれる昨今、ますます「耳」は侮れない。

 歌や音楽、小鳥のさえずりや小川のせせらぎといった心地よい音に疲れた心を慰めてもらう。誰しも、こんな経験があるのではないか。単なる「気のせい」とは限らない。実際、耳から伝わった音は心身の健康に寄与しているらしい。

 音楽を利用して心身の治療や健康増進を図るものというのが「音楽療法」への一般的なイメージだが、医療の現場ではどのように取り入れられているのだろう。

 一般社団法人・日本音楽療法学会前理事長で、聖徳大学名誉教授の村井靖児氏は、半世紀にわたって音楽療法を活用している。若き日に赴任した下総国立療養所(現・独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター)で、慢性患者に対する「音楽療養」に出会ったのがきっかけだった。

「認知症や統合失調症などを抱えた人たちの病棟で、定期的に集団合唱をしています。歌うのは唱歌から懐メロ、演歌まで、懐かしいものが多いですね。今日も『我は海の子』『有楽町で会いましょう』『サン・トワ・マミー』『好きになった人』を、入院患者と一緒に歌ってきました」

 村井氏曰く、こうした曲のいいところは感情移入できる点。下総国立療養所でも、患者はラジオに耳を近づけて歌謡曲を聴いていたという。

「認知症の人は、その瞬間のことは脳に記せなくても、昔の記憶は消えていない。昔、よく聞いた歌は覚えているんです。みなさん、歌っている時は実にいい表情をしていますよ」(村井氏)

 ポイントは、しっかり自分で発声すること、そして歌詞の味わいを得て、心を奮わせることだ。

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