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人生100年時代を生き抜く 今からでも間に合う!? 老後のあなたを救う10大資格事典 保存版

2019年7月28日号

 老後も仕事がしたい。それもボランティアや趣味ではなく、食べていけるだけの収入を得ながら―。「資格」はそんな願いを持つ人の救いとなる手段だ。定年後、独立独歩の専門職となった有資格者らに聞いた10種の「おすすめ資格」をお届けする。

 年を取っても働けるうちはいつまでも働きたいという人は多い。だが、せっかくの定年後、どうせ働くなら気兼ねなく、自分の思うようにしたい。資格を取り、独立独歩の専門職になれば、望みをかなえられるのではないか。
 その方法を探るため、「資格コンサルタント」の高島徹治氏(81)に会いに東京・西荻窪に向かった。名刺には新聞の市況欄のような小さな活字で、「取得資格&合格試験:社会保険労務士、衛生管理者、中小企業診断士(1次)、行政書士......」と、実に34種もの資格が印刷されている(右の写真)。
 高島氏はもともと編集プロダクションの社長だった。53歳の時に引退し、「老化防止の脳トレになるかもしれない」と軽い気持ちで宅地建物取引主任者(当時の資格名。2015年以後は宅地建物取引士〈宅建士〉)の試験勉強を始め、わずか3カ月で合格。その1カ月後に日商簿記3級、さらにその数カ月後に行政書士の試験に受かった。今まで取得した資格は90種を超すという。
「当時は宅建士も行政書士も難易度が低く、比較的取りやすい資格でした。受かったら自信がつきましたね。徐々に受ける試験の難易度を上げていきました」
 経験豊富な高島氏のアドバイスを踏まえ、定年後に働く夢を抱く人におすすめの資格10種を厳選した。高島氏が合格した時代に比べ、試験の競争倍率が上がった行政書士や難関の弁理士は、いきなりチャレンジしないほうが無難かもしれない。いったん難易度が低い別の資格を取ってから目指す方法がある。そのような複数の組み合わせも記載した。また、資格を取るための試験の難易度や収入などについて、表に示した。

 (1)ビジネス法務エグゼクティブ

 東京商工会議所が実施する「ビジネス実務法務検定試験」の1級合格者に与えられる称号(民間資格)だ。同試験はビジネス全般に必要な法務知識を持っているかどうかを試す。2級合格者は「ビジネス法務エキスパート」、3級は「ビジネス法務リーダー」という称号だ。高島氏は02年、2級に合格した。
「受験者がそれほど多くないのに、知名度が高いのが特徴です。法律系の資格として、入門的な地位にあるからだと思います。行政書士、司法書士、弁理士といった法律系資格を狙うなら、足慣らしの意味で受験するのがいいでしょう」

 (2)行政書士

〈行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(中略)を作成することを業とする〉と、行政書士法第1条の2にある国家資格だ。
 ミュージシャンや俳優に憧れる若者が集うことで知られる東京・高円寺。駅から10分ほどの住宅地にある「野積行政書士事務所」を訪ねた。所長の野積優(のづみまさる)さん(67)は64歳だった16年、事務所を開業するまで会社員だった。
「新卒入社から約40年間、大手通信会社に勤め、法人営業担当として契約書の作成や顧客とのクレーム対応など、法律的な知識が必要な場面に直面することが多かったんです。そこで、法律知識をより深めたくなり、ビジネス実務法務検定試験を受けて合格し、日商簿記検定2級なども取りました」
 50歳になる少し前、当時55歳だった勤務先の定年を意識し始めた。自宅と会社の往復ばかりの生活を長く続けた野積さんだったが、「定年後は地域に根差した仕事をしたい」と思うようになった。
「調べるうちに行政書士が私にぴったりではないかと考え、決めたのです」
 定年後、通信工事の会社に職を得て、平日は1時間、休日は6~7時間程度、試験勉強にあてた。通勤中に教科書を読み、休日は図書館に通う日々が5年ほど。ようやく3回目の挑戦が実った。開業にかかった費用は行政書士会の登録料23万円▽パソコン購入費15万円▽プリンター代4万円▽『六法全書』などの本が4万~5万円―と、総額50万円以内に収められた。
「遺言書の作成や戸籍謄本の取り寄せなど相続関係の依頼が多いです。机、電話、パソコンがあれば全国どこででも仕事ができるのは、大きな魅力だと思います」
 行政書士の仕事をしながら、地元町会の役員を担ったり、発達障害の若者が職に就く支援の仕事を週1回したりと、複数の職場を行き来している。会社員時代はできなかった働き方だ。
「忙しい時期は早朝から深夜まで働くことがありますが、平均するとゆったりしたペースです。行政書士の案件ごとにもらう報酬は、自分の裁量で決められます。働く時間や仕事量を調整しながら、いろんな仕事を経験して楽しんでいます」
 70代になって末期がんと診断された独居男性の依頼を受け、自宅を売却する手続きをサポートするうちに本人が亡くなったことがあった。生前、連絡を取る唯一の人が野積さんだった。本人が死亡した後、家庭裁判所に出向き、遺産の処分に必要な手続きを担った。
「依頼者は、身内のもめごとなど、他人に知られたくない話をする必要があります。だから信頼関係の形成がとても大事。私は依頼者と年齢が近いことが多く、高齢であることが強みになっていると思います」
 なお、行政書士は高校卒業後、国または地方の公務員として行政事務を担当した期間が通算17年以上になる場合は、試験を受けずに資格が取れる。
 前出の高島氏は、行政書士の収入についてこんな話をする。
「行政書士事務所などに雇われる場合、初任給は年収420万円ほどで、年を重ねると700万円程度まで昇給が期待できます。独立開業する場合は、個人の能力や経験内容によって差がありますが、600万~1000万円程度も夢ではないでしょう」

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