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疑惑追及はこれからが本番 佐川"忖度"喚問これだけの虚飾 特捜検察は森友疑惑の"闇"を暴けるか!

2018年4月15日号

 ◇屁理屈、言い訳、自己矛盾...

「刑事訴追の恐れがあり答えられない」と55回も繰り返したのに、安倍晋三首相夫妻らの関与・影響は「なかった」。森友学園疑惑に絡む佐川宣寿(のぶひさ)氏の証人喚問は、虚飾と忖度(そんたく)にまみれた茶番だった。はっきりしたのは、追及の手を緩めてはならないということだ。

「適正に(国有地の)取引が行われているのに、なぜ文書を改ざんするのか、なぜ丁寧さを欠く答弁をせざるを得なくなったのか、これが問題の核心だと思う」
 3月27日、前国税庁長官である佐川氏の証人喚問での、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の指摘である。「貸し付けも売買契約も適正に行われた」と強調したのは佐川氏。ところが、衆参で計4時間以上に及ぶ喚問でも、肝心かなめの核心は何も明らかにされなかった。
 元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士は「検察にとっては、刑事訴追を求める声が高まり、改ざん問題を刑事事件化するのに好都合な展開となりました。佐川氏は国民の前で、真相を話すべきだったし、本人のためにもなったのではないか。本来、常識的に事件化は無理筋なので」と語る。
 郷原氏が「最大の矛盾」とみるのは次の証言だ。
佐川氏「昨年の国会答弁を通じまして、公的取得要望から始まって、貸付契約、売り払い契約の経緯について勉強もし、(中略)その中では一切、総理や総理夫人の影響というのがあったということは、私は全く考えておりません」
 自民党の丸川珠代参院議員に、安倍首相やその妻昭恵氏が国有地処分について「指示したか」と問われて答えたものだ。売却当時、佐川氏は財務省理財局長就任前だったので、局長在職中に経緯を「勉強した」と語っているのである。郷原氏が続ける。
「改ざん前の決裁文書の中身を知らないと、影響の有無については判断できないはずなので、改ざん前文書を読んだか否かについて証言を拒んでいることと整合性が取れません。また、丸川氏は『指示があったか』と聞いているのに、わざわざ先回りして『影響はなかった』と答えている。影響を否定することに佐川氏の強い意思が感じられ、事前に質問内容を知っていた可能性もあります」

 ◇補佐人は"自民党御用達"ヤメ検

 一方、屁理屈の極致は次のやり取りだ。佐川氏が理財局長時代の昨年2月24日、「確認したところ、売買契約に至るまでの近畿財務局と森友学園側の交渉記録はなかった」と答弁したことについて、宮本岳志・共産党衆院議員に「虚偽答弁では」とただされると、こう切り返した。

佐川氏「確認をしたという意味ですけれども、文書の取扱規則を確認したということで、そういう答弁をしてしまいました」
 特定の文書の存否を確認した、としか解釈のしようがない昨年の答弁を、「財務省の文書取扱規則では、売買契約締結をもって交渉記録は破棄される」という一般論へすり替えたのである。ちなみに、過去の答弁の「ボロ」は、佐川氏にかかると「国会対応で丁寧さを欠いた」となり、これを国税庁長官辞任(3月9日)の理由にもしている。
 牧原出・東京大先端科学技術研究センター教授(行政学)は、追及する側の課題を指摘する。
「今回は質問時間が限られていましたが、公文書やデータの齟齬(そご)を追及する際は、言葉の解釈や定義を厳密に確認して質問しないと、答える側に逃げ道をつくることになる。厚生労働省の裁量労働制を巡るデータ問題のように近年、言葉の解釈が問題となる場面が増えています」
 なぜ、「丁寧さを欠いたのか」について、佐川氏は「私の至らなさ」と陳謝しつつ、「質問が相次いでおり理財局内が混乱していた」「大変忙しかった」との言い訳に終始した。
 また、恣意(しい)的な答弁拒否の疑いも濃厚だ。
 前出・丸川氏に「(佐川氏自身の答弁によって)誤解が生じるかもしれないと、決裁文書を後で確認した時に思ったか」と聞かれた時には、「そのときの認識はちょっと思い出せない」と、文書を見たこと自体は否定していない。それなのに、小池晃・共産党書記局長に「決裁文書に安倍昭恵さんの名前が出ているのを見て、特別なことだと感じなかったか」と問われると、「刑事訴追の恐れあり」を盾に証言を拒んだ。
 佐川氏の答弁は、おおむねよどみがなかったが、時折、斜め後ろに控える補佐人の熊田彰英弁護士に助言を求めた。
 同じ第二東京弁護士会所属の弁護士が語る。
「熊田さんは、検察官経験のある『ヤメ検』。若くして法務省大臣官房秘書課を経験しているのは、検察実務だけでなく、管理能力も高いということでしょう。現在は、大物ヤメ検の矢田次男弁護士が率いる法律事務所に所属しています」
 熊田氏は、京都大法学部を卒業し1998年に検事任官。最高検時代の2010年には、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、公判を担当している。14年の弁護士転身後は、小渕優子元経済産業相の元秘書による政治資金規正法違反事件で主任弁護人を務めたほか、甘利明元経済再生担当相を巡る現金授受疑惑も担当したという。
 前出の弁護士は「自民党に縁があるのは間違いないが、佐川氏が個人的に知っていたのか、官邸筋が関わったのか。与党との"出来レース"とも映った喚問の鍵を握っているかもしれませんね」と評する。

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