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沖縄 名護市長選「オール沖縄」敗れる 今秋知事選へ「勢いづく保守系」

2018年2月25日号

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画の是非が問われた名護市長選。2月4日投開票され、移設計画を進める安倍晋三政権が推した新人で元市議の渡具知武豊(とぐちたけとよ)氏(56)=自民、公明、維新推薦=が、移設に反対する翁長雄志(おながたけし)知事が支援した現職の稲嶺進氏(72)=共産、自由、社民、民進推薦・立憲民主支持=の3選を阻み、初当選した。
 官邸vs.翁長県政の「代理戦争」、あるいは今秋の沖縄県知事選の前哨戦ともいわれた同市長選。フタを開けてみれば3458票の大差がついた。
 勝敗を分けたのは、自民党の徹底した「辺野古隠し」と、前回は自主投票に回った公明党の組織力を生かした運動だった。自民党は菅義偉官房長官や二階俊博幹事長、小泉進次郎筆頭副幹事長をはじめ、100人超の国会議員が現地入りし、遊説より企業団体回りに注力した。2年前の宜野湾市長選で成功した手法だ。
 渡具知氏は、学生や商工会議所の主催を含めて8回企画された公開討論会に一度も参加せず、「(辺野古は)県と国の裁判を注視する」と述べるにとどめた。さらには政権を後ろ盾とした経済振興策も強調。稲嶺陣営も「ネオパークオキナワ」(名護自然動植物公園)へのパンダ誘致を掲げて応戦したが、2度名護市入りした進次郎氏という"人寄せパンダ"には及ばなかった。
 翁長知事を支える「オール沖縄」が全面支援した現職の稲嶺氏は「新基地は絶対に造らせない」と訴え、地元紙が実施した出口調査で「辺野古移設反対」が64・6%に上った。なぜ、得票に結びつかなかったのか。地元紙記者の話。
「稲嶺陣営が本格的に動き始めたのは投開票の2週間前。『負けるはずがない』と最終盤まで油断していた」
 カギとなったのは、2週間前に行われた南城市長選だ。全11市中9市の保守系市長で作る「チーム沖縄」の大将格で4選を目指す現職が65票の僅差で敗れた。これに稲嶺陣営は「オール沖縄が勝った」と浮かれ、"慢心"を招いた可能性がある。逆に渡具知陣営は引き締めを図った。
 秋の知事選への影響も計り知れない。翁長支持者はこう危惧している。
「革新市長でも工事を止められない。それなら基地再編交付金をもらった方がいいという有権者心理は、知事選でも働くのではないか。沖縄市長選などで連敗すれば求心力が低下し、知事の出馬の可否が取り沙汰(ざた)されるかもしれない」
 候補者調整中とはいえ、自公陣営に弾みがついたことは間違いないだろう。「勝てると見れば、現職の衆院議員を立ててくる可能性もある。今後の首長選、町村議選をどう有利に進めるかにかかっている」(自民党支持者)
 南城、名護両市長選で見えたのは、オール沖縄が社民、社大、共産、組合、企業グループなどの寄り合い所帯ゆえ、連絡調整や指揮系統に課題が多いことだ。各政党や地元選出国会議員、地方議員から運動員が送り込まれ、その連携が取れているように見えない。南城市長選でオール沖縄陣営を応援した男性が明かす。
「ウグイスは『原稿がない』と慌てていたし、差し入れしようと選対事務所に問い合わせたら『今はそれどころじゃない』と取り合ってもらえなかった。かつて"革新共闘会議"といわれた当時の革新系内部の不協和音、ドタバタぶりとあまり変わらない」
 もちろん、米軍機の事故や米軍人軍属絡みの事件、政治家の暴言などへの政府対応次第で情勢は一変する。そのあたり、沖縄の選挙の難しさでもある。
(友寄貞丸)

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