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接点なく顧客情報把握遅れる? 金融庁がアパマンローン問題視

2017年11月26日号

 金融機関のアパート・マンションローンなどの賃貸業向け貸出残高が高止まりしている。一昨年の税制改正で相続税の控除額が縮小されるなど課税対象が広がったことから、相続対策として金融機関から借金をしてアパートやマンション経営に乗り出す富裕層が増えているためだ。
 日銀の調査によると、昨年9月末のアパートローンの残高は約22兆円で、前年同月比4%増加した。その後、足元では増加テンポは鈍化しているが、「マイナス金利の中、比較的高い利幅が見込まれ、かつ焦げ付きにくい融資として各金融機関とも積極的に融資している姿勢に変わりはない」(金融関係者)。
 しかし、あまりに急拡大したため市場が供給過剰になりつつあることも事実。アパートやマンションを建てて賃貸業に打って出たのはいいが、競争激化から空き室が多く出て収支が狂うケースも発生している。実態調査に乗り出した金融庁は「地域銀行によってバラツキはあるものの、足元の実際の賃貸物件の収支状況は一定程度が赤字であり、築後15年を経過すると(赤字物件が)更に増加傾向になる」と指摘している。
 なかでも金融庁が問題視しているのは、「金融機関の他の貸し出しに比べ、アパート・マンションローンは担保力も高く、かつ借り手が富裕層。だが、実はローンの申し込みは宅建業者などからの持ち込みで、金融機関は顧客と接点がないケースも少なくない」(金融庁幹部)という点だ。
 万が一、賃貸収入がローンの返済額を下回る赤字経営に陥っても、金融機関はそうした顧客情報を掴(つか)むのが遅れかねないリスクがある。
 アパマンローンの実態は、顧客本位の業務運営の徹底を最大テーマに掲げる金融庁にとって、看過できない危うい融資と映る。節税目的だった富裕層も、事業がうまくゆかずに虎の子の資産を失っては元も子もない。
(森岡英樹)

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