政治・社会詳細

イチオシ
loading...

病院で死なないという選択 看取りに強い特養(特別養護老人ホーム)はこう探せ!=村田くみ

2017年11月26日号

 ◇やりたいこと、できることを諦めない終末期ケア

 赤字の特養(特別養護老人ホーム)が3割もある中、黒字経営を実現している施設がある。「看取り」を行うことで納得のいく最期を迎えることができ、職員のやる気を引き出す。福祉予算がカットされる中、高齢者とその家族、介護職を支えるこの仕組みを後退させてはならない。

「♪若く明るい歌声に~」
 ある平日の午後。特別養護老人ホーム「音羽台レジデンス」(東京都板橋区)の4階のフロアでカラオケの時間が始まり、入居者たちの元気な歌声が響いていた。その輪から離れ、屈託のない笑顔を浮かべた車椅子の男性がこちらに話しかけてきた。5年前に老人保健施設から移り住んだ浅水康盛さん(79)だ。
「僕はね、ここの自治会長なの。僕が主催で、みんなで集まるサロンもやっているんだよ」(浅水さん)
 特養統括マネジャーの高橋寛昌さんが浅水さんに代わって説明する。
「2年前に浅水さんが『ここのおばあちゃんたちは寂しそうな顔をしている。笑顔になってもらうためのサロンを作りたい』と提案されて、入居者の集い『サロン音羽』が始まりました。浅水さんが自ら、カラオケやクイズなど企画を考え、ほかの方を楽しませてくれるので毎回大好評。そこで、施設内の催しなどを決めるのに、入居者さんにも参加してもらいたいと、自治会活動『夢クラブ』が行われるようになりました」
「夢クラブ」は毎週木曜午後3時半から定期的に開かれる。ある時の議題は「お祭りの役割分担」「雑巾を作って近所の小学校に贈呈する」など、ユニークなアイデアが次々出てくる。エントランスには1杯100円でコーヒーが飲める喫茶スペース「寄り道カフェ」があり、それも「来客者をもてなしたい」という入居者の声を反映した試みだ。
「寄り道カフェは月に1度夜に『寄り道BAR』になりお酒が飲めます。やりたいと思ったことを先延ばししないので、みんな笑顔が絶えないのです」(高橋さん)
 浅水さんは、入居時は要介護4だったが、現在は要介護2。脳梗塞(こうそく)の後遺症で麻痺(まひ)が残り、車椅子生活を余儀なくされているが、まだまだ達者だ。

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    倍賞千恵子 女優・歌手

    2017年11月26日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 179   映画「男はつらいよ」シリーズで、車寅次郎の妹・さ...

コラム