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 野生のジャイアントパンダ救え 中国で保護区統合「楽園」建設へ

2017年10月29日号

 東京・上野動物園でシャンシャン(香香)が生まれ、人気沸騰中のジャイアントパンダ。その故郷・中国で、広大な楽園づくりが動き出した。
 中国国務院(内閣に相当)によると、中国最大のパンダ生息地である四川省を中心に、中国政府が2020年をめどに香港の10倍の面積を持つ国立公園を建設する。自然災害や道路整備などの影響で生息地の細分化が進み、一つの生息地で暮らすパンダの数が減少。生物としての多様性が損なわれる危険性が高くなっていることが背景にある。
 計画では、四川、甘粛、陝西の3省内にあるパンダ保護区を統合する。総面積は約2万7000平方キロと、香港の総面積(約2755平方キロ)の10倍近い広さだ。
 中国政府や国際保護団体の努力によって近年、同国内の野生パンダの数は増加に転じた。中国国家林業局によると、13年末時点で、その10年前の03年比約17%増の1864頭。このため、国際自然保護連合(IUCN)は16年9月、「絶滅危惧種」の指定を解除して1ランク下の「危急種」に引き下げている。
 とはいえ、世界自然保護基金(WWF)によると、10年以上前は18のグループに分かれていた野生のパンダが、現在は33にまで細分化され、このうち10頭以下で暮らしているグループが18あるという。
 四川省出身で、日本パンダ保護協会(東京都中央区)の事務局長を務める斉鳴(さいめい)さんは「グループの構成数が少ないということは、遺伝子的に似通ったパンダが交配する可能性が高くなる。パンダの繁殖に好ましくなく、将来、絶滅する恐れもある」と話す。
 ただし、悩ましい問題もある。四川省内だけで少なくとも17万人が移転を余儀なくされるというのだ。「中国政府が建設すると決めたのだし、実現まで早いのでは」(斉さん)というものの、野生生物との共生の難しさを物語る話ではある。
(志村宏忠)

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