政治・社会詳細

News Navi
loading...

鉄路の旅情に浸れる小さな食堂 JR神田駅に憩いの空間が登場

2017年9月24日号

「ハチクマライス」と聞いてニンマリするようなら、その人はかなりの鉄道ファンだろう。列車乗務員の賄い食だという。勤務の都合上、早メシは必須。手っ取り早く食べられるよう、ご飯の上に数種の副菜をのせた一皿だ。
 目玉焼きは共通していたが、内容は列車によってさまざまだった。名前の由来は諸説あるが、落語の代表的登場人物「八っつあん・熊さん」のような"大ざっぱな人でも作れる"というのが有力らしい。
 この賄い食をはじめ、鉄道に関わるメニューをそろえた食堂が人気を集めている。今年6月に、東京のJR神田駅構内にオープンした「神田鐵道倶楽部」だ。
 北口改札の目の前、カウンター13席の小さな空間。古い駅舎のような板張りの壁は、SLのナンバープレートや行き先板、車名板などでびっしり埋め尽くされている。シグナルが灯(とも)り、大型テレビには列車の運転席からの眺め。鉄道ファンはもちろんだろうが、門外漢でも楽しくなる。
 看板メニューは「ハチクマライス」の他、スパゲティ・ミートソースにトンカツをのせたブルートレインの名物料理「ベロネーズ」、食堂車の定番・カレーライスなど。これらの懐かしい料理が、「北斗星」で実際に使用されていた食器で供される。週替わり・数量限定で、2~3種類の駅弁も用意されているのがうれしい。
 15時からのバータイムには各地の日本酒・国産ワインに加えて、新幹線の終着駅をイメージした同店オリジナルカクテルも味わえる。肴(さかな)には「ほやの燻製(くんせい)」や「ほたるいか素干し」といった、車内販売の人気商品も並ぶ。会計は新幹線などで使われている手持ちコンピューターでと、実に芸が細かい。お通しが「出発!お新香!=200円」と、メニューに明記されているのも微笑(ほほえ)ましい。
 運営に関わっている人たちの"鉄ちゃん"ぶりも存分に伝わってくる、誰でも憩える空間だ。
(小出和明)

[写真]日本レストランエンタプライズ(http://www.nre.co.jp/)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

コラム