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日銀と金融庁の業務重複に異論 「前日銀審議役リポート」に注目

2017年9月17日号

 日本銀行の審議委員であった木内登英(たかひで)氏が7月23日に5年の任期を終えて退任し、古巣の野村総合研究所にエグゼクティブ・エコノミストとして復帰した。一貫して黒田東彦(はるひこ)総裁が進める異次元緩和に警鐘を鳴らし続けてきた木内氏が、8月22日のリポートで「金融庁の組織改革と日本銀行との業務調整」という長年の懸案テーマに切り込んだ。
 来夏に予定される金融庁の組織改革では、検査局を廃止して業務を監督局に統合するほか、総務企画局の機能を二つに分け「総合政策局」と「企画市場局」を新設する。
「総合政策局」は、金融機関の資産運用やIT、ガバナンスなど、従来は検査・監督の両局を跨(また)いで対応してきた横断的な課題を受け持つ。一方、「企画市場局」は、市場取引にまつわるルールづくりや運用を所管する。
 この金融庁発足以来の抜本的な組織改革を機に、木内氏が提唱するのが、日銀の考査と金融庁の検査の統合的な運用である。木内氏はリポートで〈プルーデンス政策(金融システムの安定政策)の領域では、金融庁と日本銀行の業務の調整が十分になされていないという問題意識を長く抱いてきた〉と指摘する。金融庁の検査と日本銀行の考査との間の業務の重複は、1998年の日本銀行法改正でも議論の対象になったものの、見直されることはなかった。
 一方、海外では中央銀行を含めて規制当局が複数分立する場合には、マクロ・プルーデンス政策を担う「合議体」が組織されることが一般的だ。木内氏は〈金融庁と日本銀行が共同でマクロ・プルーデンス政策を担うことを、他国のように明確な法律で定めるべきであろう。その中で、現在の『金融庁・日本銀行連絡会』をより正式なマクロ・プルーデンス政策を決定する組織として位置付けることが重要〉と提唱している。
 金融庁の抜本的組織改正とともに、日銀との関係も再考の余地がありそうだ。
(森岡英樹)

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