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ならず者国家「北のミサイル」をどうする! 金正恩の狂気を止める「最高の解決法」

2017年9月17日号

倉重篤郎のサンデー時評

  •  ◇小泉純一郎元首相が語る「日本の役割」
  •  ◇柳澤協二元防衛官僚「米朝平和条約の仲介役となれ」

 北朝鮮のミサイルによる威嚇攻撃に、日本はいかに対すべきか。安倍政権が主張するさらなる圧力は、金正恩独裁体制の硬化を加速させるだけではないか。かつて金正日氏との間で平和外交を成し遂げた小泉元首相と、独自の外交哲学を持つ元防衛官僚の柳澤協二氏に、倉重篤郎が訊く。

 北朝鮮ミサイル問題に日本はどう対応すべきなのか。
 今の安倍晋三政権からは、この答えが見えてこない。
 もちろん、危機管理めいたものは、やっている。弾道ミサイルが列島越しに太平洋に落下すれば、早朝からJアラートを発し、官房長官が会見し、米政権と電話協議し、テレビ各局が一律に「これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」とする首相のテレビ動画を流し、その中で首相がさらなる圧力をかける意向を表明する。その繰り返しである。
 北朝鮮というある意味、追い詰められた国家が、実験、威嚇のために、つまり本気で戦争を仕掛ける意図がない中で、一発撃ち上げたミサイルに対し、一国の首相が最大限の脅威認識を示すべきかどうか、圧力のみが物事を解決できるのか。私には腹に落ちないものがある。日本政治の手詰まり感のみが浮き上がり、金正恩(キム・ジョンウン)独裁体制を勢いづかせ、さらなる挑発行動に追いやっている、との懸念を抱くのだ。
 そこで思い起こされるのが、二つの電撃訪朝である。1994年6月の核開発危機では、カーター元米大統領が金日成(イルソン)氏と会談し、同年10月、使用済み核燃料の再処理を凍結させる代償として北に軽水炉発電支援を行うことで合意、ぎりぎりのところで軍事行動を回避した。
 また、2002年9月には、小泉純一郎首相が金正日(ジョンイル)氏と会談、北側に拉致を認めさせ、10月、被害者5人を帰国させることに成功した。
 いずれも実に見事な平和外交であった。そして、この9月は小泉訪朝から15年。かつてのカーター的役割を小泉氏に果たしてもらい、膠着(こうちゃく)状況を打開できないものか。安倍氏とその周辺が、米側当局ですら、そう考えてもおかしくない。
 そういう観測が広がる中、8月15日に首相経験者と安倍首相の会合があった。日本財団の笹川陽平会長が山梨県の別荘に、安倍、小泉、森喜朗、麻生太郎4氏を招き、職人を東京から呼び、美味な寿司をご馳走(ちそう)したのである。4氏の破顔一笑、交歓風景は笹川氏が自らのブログに流した写真をメディア各紙が転載することで、広く知られることになった。
 週刊誌が報じるところでは、そこで安倍・小泉会談があり、小泉特使説が話し合われた、というのだ。
 これはもう小泉氏に聞くしかない。
 小泉氏によると、コトの真相は以下のようだった。
 まずは、小泉特使説については、「全くあり得ない」と全面否定だった。理由は二つあった。北の独裁者が小泉氏が直接渡り合った金正日氏であれば、まだそういう話が出たかもしれないが、その息子の金正恩氏相手ではあり得ない、というのが1点。もう一つは、この手の外交は現職首相でなければ務まらない、現職首相であっても相手側が受け入れるかどうかはわからない、という見立てだった。

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