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名古屋城の木造復元計画が始動 「石垣の修復が先」と反発の声も

2017年8月20日号

 金のシャチホコで知られる名古屋城天守閣が「木造復元」に向けて動き出した。今春の名古屋市長選に圧勝した河村たかし市長(68)は5月、竹中工務店と基本協定を結び、事業に着手、7月21日には「金シャチ募金」と銘打ち100億円を目標に市民や企業への寄付金呼びかけを始めた。
 同市の計画によると、天守台の石垣の状態を調べたうえで、2年後の2019年9月から現天守閣を解体。20年6月に木造工事に着手し、22年末に完成させる。
 名古屋城の木造復元構想は「震度6強程度の地震で倒壊、崩壊する危険が高い」とする現天守閣の耐震診断を受け、河村市長が打ち出した。しかし、最大505億円の事業費を入場料収入で賄うとした収支計画などに議会多数派が猛反発。その後、今春の市長選での争点化を嫌った自民、民進、公明が賛成に転じ、関連予算は今年3月に成立した。
 ところが5、6月の同市の有識者会議では、計画見直しを求める声が相次いだ。専門家の一人は「長い期間をかけて石垣の修復を行い、その後に天守閣をどうするか議論すべきだ」と述べ、石垣の本格的な修復を木造化完成より後とする計画を批判。オブザーバー参加した文化庁の文化財調査官も「石垣の保全を目的とした調査でなければ、許可は下りない」と木造工事を目的にした石垣調査に異議を唱えた。
 これらの声を受け、名古屋市は8月1日、天守台の石垣の調査で大規模な修復が必要になると判明した場合、22年末の木造化完成時期を遅らせる考えを初めて示している。
 現在の鉄筋鉄骨コンクリート造天守閣は、空襲で焼失した木造天守閣に代わり、1959年に復興の象徴として市民の寄付を集めて再建された。保存を求める声も根強く、「現天守閣を耐震改修し、国の登録有形文化財を目指すべき」と訴える市民グループは26日、シンポジウムを開く。
 果たして「金シャチ募金」が生かされる日は来るのか。
(井澤宏明)

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