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アジア向け旅番組制作で補助金 「総務省の毒まんじゅう」説浮上

2017年7月 2日号

 これは"毒まんじゅう"なのだろうか――。
 インバウンド(訪日外国人)を地方に誘致しようと、地方の民放局に制作費の3分の2を補助する旅番組の企画案を公募していた総務省。5月末で募集を締め切り、「20件を目安に審査中」(コンテンツ振興課)。主に東南アジア向けの番組を求めている。
 対象となる制作費は、1件当たり500万円から4000万円。日本の伝統や文化を知ってもらい、国内地域産業の海外展開などを促し、地域経済の活性化を図るとする。
 安倍政権は2013年、経済成長戦略の柱の一つとして、日本の放送番組関連の海外売上高を18年度までに10年度の約3倍にすることを掲げ、15年度に約288億円に到達した。放送コンテンツ輸出戦略は、経済政策アベノミクスの"優等生"といえそうだ。
 だが、地方局の実情は厳しい。在京のキー局が広告のスポンサー料を視聴者数に応じて地方局に割り振るシステムで、年10億~30億円といわれる収入はその経営を実質的に支えているとまでいわれる。さらに地方局の独自番組の放送枠は10%程度しかないとされるため、ネット同時配信によりキー局発の番組がネットで視聴できるようになれば、地元企業の広告出稿の大幅減が予想される。地方局にとって、総務省からの補助金は「干天の慈雨」ともいえる。
 だが、あるキー局OBは、地方局の"補助金頼み"には「こんな懸念がある」と言う。
「地方局はもちろん報道機関でもある。だが、山陰で起きた自然災害を取材できない局があった。報道部門を置く余裕がなかったというのです。そうなれば、キー局が地方局の面倒を見なければならない。補助金で外堀が埋められ、その結果、東京のキー局までも統制され、所管の総務省を通じた政権の放送界支配が強まらないとも限らないのです」
 放送ジャーナリズムの独立性が、ここでも試されている。
(田口嘉孝)

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