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歴代3社長に刑事責任は問えず JR福知山線事故「無念」幕引き

2017年7月 2日号

 犠牲者と遺族の無念は、いかばかりか。
 乗客106人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本の歴代3社長について、最高裁は1、2審の無罪判決を支持する決定を出した。
 最高裁小法廷は業務上過失致死傷罪で強制起訴された井手正敬相談役(82)、南谷(なんや)昌二郎会長(75)、垣内剛社長(73)=肩書は当時=について、6月12日付で検察官役の指定弁護士の上告を棄却した。神戸地検は3人を2度、容疑不十分で不起訴にしたが、検察審査会の議決を経て10年、指定弁護士が強制起訴した。
 JR史上最悪となった同事故を巡っては、神戸地検が同罪で起訴した山崎正夫元社長(74)の無罪が既に確定、刑事責任の追及は起訴された4人全員の無罪で終結した。
 小法廷は裁判官4人全員の意見として、事故当時の法令はカーブへの自動列車停止装置(ATS)設置を義務付けておらず、JR西日本でも設置の判断は鉄道本部長に委ねられていたと指摘した。そのうえで「社長が個別の危険性の情報に接する機会は乏しかった。ATS整備を指示すべき注意義務があったとは言えない」と結論付けた。
 長女(当時40歳)を亡くした藤崎光子さん(77)は「これでは娘に報告できない。でも、まだたった12年。まだまだ追及したい」と話し、次男(当時18歳)を奪われた上田弘志さん(62)は「裁判所は上辺だけを見たのでは」と悔しそうだった。
 JR西日本は民営化後、「売り上げ1兆円」という井手氏の号令の下、経営効率化のために高速化を進め、尼崎駅での乗り換えの利便性を図るべくカーブ半径を半減させた。運転士に対する再教育(日勤教育)問題もクローズアップされた。司法の場では、こうした問題は不問に付された。
 遺族らは今、法人に刑事罰を科す「組織罰」を求めている。
(粟野仁雄)

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