政治・社会詳細

イチオシ
loading...

加計学園問題「森友疑惑」に続き「知らぬ存ぜぬ」 規制緩和を"偽装"した「便宜供与疑惑」

2017年6月18日号

 ◇安倍政権の「公平」は世間の「不公平」!

 獣医学部新設は、岩盤規制に風穴を開けた大手柄。安倍政権は、こういう筋書きにしたいらしい。だが、獣医の増員が必要という説得力ある根拠は何一つ示していない。まして、新設事業者が「首相のお友達」なのだから、何をかいわんやだ。

「今後、出所不明の文書については調査しない」
 6月2日午後、加計(かけ)学園(岡山市北区)の獣医学部(愛媛県今治市)新設問題について、民進党のヒアリングの席上、文部科学省の担当者はこう言い切った。要するに、この問題について、新たな事実が明らかになったとしても、同省としてはその確認には応じないという、一方的な宣言だ。
 会合では、民進党に情報提供のあった新たな"証拠"の存在が明らかにされた。この内容について、同党関係者が説明する。
「『文部科学省の未来を憂う職員有志』を名乗る匿名の方から提供された省内メールの写しです。昨年9月27日、獣医学部設置審査を担当する専門教育課の係長名で、十数人の職員に同時に送信されています。2018年4月の獣医学部開設が『官邸の最高レベルが言っていること』と、内閣府の担当審議官が文科省にごり押しした、と記された文書が添付されていたことが分かります。つまり、文科省が『確認されなかった』と結論づけた文書が、省内で共有されていた可能性を示すものです」
 添付の文書は、最初に報道された8枚つづりのものについて、菅義偉官房長官が「日付もない怪文書」と切り捨てたのを受け、『朝日新聞』がその存在を報じた「詳細版」だ。前文科次官の前川喜平氏が「本物」と証言した8枚つづりに含まれていた内閣府審議官の発言と、内容は一致している。
 記載された人名は、いずれも実在する職員。発信者の直通番号も書かれており、リアリティーを感じさせる。メールは複数あり、内閣府審議官と専門教育課長の打ち合わせ日程の調整の様子もうかがえる。
 民進党は、ヒアリング開催前の午前中に文科省にメールを示し、確認を求めていた。ところが、文科官僚らは「大臣にお渡しする時間がなかった」と、回答を保留した。「これは、サボタージュだ」などと納得しない同党議員の再三の要求で、電話で松野博一文科相の秘書官に連絡を取ったり、職員を職場へ走らせたりしたが、結局、何も答えないまま。無為に2時間が過ぎていった。
 このメールが確かなものであれば、省内には、前川氏の捨て身の証言に呼応する心ある官僚がいるということを意味する。なのに、なぜここまで不誠実な対応を取らざるを得ないのか。
 自民党議員が解説する。
「官僚たちは、官邸から『ニュースになるような事実は、一切明かすな』と圧迫されているわけですよ。菅氏が最初に『怪文書』と決めつけた手前、今さら文書の存在を認めるわけにいかない」
 この辺りの事情は、民進党側も承知しており、「行政の公正さを曲げられた上、官邸に抑えつけられている文科省は被害者だ」という同情論も聞かれた。
 文科省に輪を掛けて不誠実な官庁がある。国家戦略特区を所管する内閣府だ。
 規制緩和を「錦の御旗(みはた)」にして「石破4条件」に、加計学園の計画が合致していると主張したが、その内容はお粗末としか言いようのない代物だった。
 4条件は、石破茂氏が地方創生担当相だった15年6月、閣議決定された。(1)既存の獣医学部にはない具体的な構想(2)獣医師が新たに対応すべき需要(3)既存の獣医学部では対応困難(4)需要動向――で構成される。

 ◇開き直る内閣府、責任を転嫁

 内閣府の主張で、特にひどいのは、需要見通しについてだ。ヒアリングで配布した資料には、次のような趣旨が記されている。
「需要の具体的人数について、政府は正確に知ることができない。結局、神の見えざる手である市場メカニズムによってしか決まらない」「入学定員160人で学校設置認可を申請していると聞いているが、認可の権限は有しておらず、内閣府として認めるものとはなっていない」
 需要は把握できないと開き直り、定員の妥当性判断は許認可権のある文科省に押しつけているわけだ。
「そもそも石破4条件は、高いハードルなわけです。加計学園の構想はまったく合致しません」
 こう指摘するのは、獣医師による政治団体・日本獣医師連盟委員長の北村直人・元自民党衆院議員だ。いかにこのハードルが高いものか、日本獣医師会に近い現職議員はこう語る。
「加計学園の構想が4条件を満たすと思えないし、現に合致しているとは言い難い。我々も、今治市が事業者募集を開始する今年1月まで、実現するとは思わなかった」
 前出の北村氏が続ける。
「まず、加計学園の構想はいずれも既存の獣医学系大学で取り組んでいるものばかり。また、地域的な偏在はあるものの獣医師は不足していません。不足があるというならば、既存校の定員を増やせば対応可能なのです。既存16校の総定員930人は1・1倍までの調整枠が認められています」
 北村氏によると、14年度の調査では、全国の獣医師資格保有者約4万人のうち、12~13%が獣医師資格が不要な職業に就いているという。

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    橋本マナミ 女優

    2017年6月18日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 157   かつて、"愛人にしたい女性ナンバーワン"のキャッ...

コラム