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「闇金を太らせるだけ」と懸念も 全銀協がカードローン抑制に舵

2017年5月28日号

 銀行がカードローンの抑制に乗り出した。過剰な融資が多重債務者を生んでいるとの批判が高まっているためで、昨年10月に日本弁護士連合会から全国銀行協会(全銀協)などに対して「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」が出されていた。
 銀行がカードローンに傾注するのは、日銀のマイナス金利政策で法人向け貸し出しなどの利ざやが縮小する中、「カードローン金利は平均して年8~10%程度と高く、利幅の大きい有望市場」(メガバンク幹部)という理由がある。
 2010年に完全施行された改正貸金業法では、貸付上限金利が29・2%から20%へ引き下げられ、借り入れ残高が年収の3分の1までに制限された。だが、この規制は貸金業者のみが対象で、銀行は対象外。そうした銀行のカードローンには系列の貸金業者の保証が付き、焦げ付いても銀行の収益には響かない。銀行のカードローンはまさに"濡(ぬ)れ手に粟(あわ)"の新天地だった。
 そこで銀行は「銀行のカードローンは改正貸金業法による総量規制の対象外です」「最大500万円 所得証明書一切不要」などを謳(うた)い文句に、湯水のように貸し込んだ。ところが、日弁連のみならず、政界からも「(銀行に)貸金業法が及んでいないのは社会的な責任があるからだ。しっかり対応してもらいたい」(安倍晋三首相)と糾弾され、ようやく抑制へと舵(かじ)を切った。
 全銀協では借り入れを煽(あお)る広告自粛を申し合わせたほか、メガバンクなどの大手行を中心に融資限度額を大きく引き下げるなどの対応を急いでいる。だが、銀行界の本音は違う。
「銀行のカードローンはもっぱら遊興費などに充てられると見られ、過剰融資を批判されるが、実際は借り入れに苦慮する中小・零細企業のつなぎ資金にも充てられている。銀行の抑制でこれらの利用者は闇金に流れる可能性が高い」(メガバンク幹部)
 銀行カードローンの抑制は、もろ刃の剣となりかねない。
(森岡英樹)

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