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玄海原発の再稼働がきっかけ? 電力再編の「国盗り合戦」勃発か

2017年5月21日号

 九州電力玄海原発の再稼働をきっかけに、電力業界の再編シナリオが浮上している。
 佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は4月24日に玄海原発3、4号機の再稼働への同意を表明し、早ければ年内にも運転が再開される見通しとなった。
 玄海のみならず、西日本ですでに再稼働した原発、および再稼働の可能性が高まっている原発を見ると、九州電力の玄海と川内(鹿児島)、関西電力の美浜、高浜、大飯(福井)、四国電力の伊方(愛媛)で、合わせて12基もある。すべて再稼働となれば、3社の収支は大きく改善する。
 一方で、再稼働の見通しが立たない電力会社もあり、原発次第で各社の財務状況に大きな差が出そうだ。「電力会社間のアンバランスが再編のきっかけになる」と指摘するのは、エネルギー問題に詳しい橘川武郎(きっかわたけお)・東京理科大教授。再編の「台風の目」として挙げるのが中国電力だ。
 地理的に関電、九電、四電に囲まれた中国電は、原発依存度が低い半面、石炭火力発電に強く、福島第1原発事故後に各社の原発が停止するなか経営で優位に立っていた。だが、この先、再稼働の動きが加速すれば中国電の優位性は間違いなく失われる。
 さらに、企業の二酸化炭素排出量に応じて課税する「カーボン・プライシング」制度が導入される可能性もあり、その場合、火力依存度が高い中国電の経営は厳しさを増す。
 その中国電に対して「買収をしかける可能性がある」(橘川氏)というのが、元々原発依存度が際立って高い関電だ。原発は収益性が高い半面、地震などの天災に対して脆弱(ぜいじゃく)であるため、関電には多様化を進めるメリットがある。
 また、九電や四電も原発依存度が高い。中国電が"盗(と)られる"前に、関電にのみ込まれるのを潔しとしない中国電と四電が組み、そこに九電が合流するシナリオもあり得る。
 原発再稼働を機に電力会社の"弱肉強食"の「国盗り合戦」が始まれば、業界の勢力図が大きく塗り替わる可能性がある。
(大堀達也)

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