政治・社会詳細

イチオシ
loading...

平野啓一郎×藤田孝典 「貧困」「格差」「分断」を語り尽くす まだ希望はある!社会は変わる!

2017年4月23日号

 ◇芥川賞作家・平野啓一郎(41)×『貧困クライシス』著者・藤田孝典(34)

 貧困、格差が拡大し、誰もが明日の不安に脅(おび)えるニッポン。そんな社会に今、若者たちがはっきりと「NO」を突きつけ始めた。彼らが差し出す問いに対する答えは果たしてあるのか。当代きっての語り手二人が、「社会学」と「文学」を架橋して語り尽くした。

 医療、教育、介護......あらゆる分野で「格差」が広がる。弱者がより弱い者を非難し、貧困を自己責任だと突き放す――。
 今は"国民総「最底辺」社会"だと喝破する『貧困クライシス』(毎日新聞出版)の著者、藤田孝典さんと、生きづらい現代の希望を描き続ける『マチネの終わりに』(同)の作者、平野啓一郎さんを迎え、窒息しそうなこの閉塞(へいそく)感を打ち破り、誰もが幸せを感じられる社会を構築するための手がかりを探したい。
――私たちは、何をなすべきなのでしょうか。
平野 藤田さんの『貧困クライシス』を読ませていただきました。細かなデータを示しながら(社会保障)制度の問題点を鋭く指摘され、さらに、どういう救済システムがあって、どこに助けを求めに行ったらいいのかが、具体的に書かれていて非常にいいと思いました。貧困を克服するためには、制度を改善していく必要があることと、国民のメンタリティーを変えていく、二つの側面があると感じさせられました。
藤田 ありがとうございます。この本の下地にもなっているように、僕は、14年ほど前からNPOで活動し、現在は「ほっとプラス」というNPO法人に所属しています。若者から高齢者まで、さまざまな生活困窮者から相談を受けてきました。僕も平野さんの作品は読ませていただいているのですが、平野さんが提唱されている「分人主義」(※)が、支援活動に大いに手助けになっています。
 相談に来られる人たちは、みんな「生きにくさ」を抱えていて、人間はこうあるべきだとか、こう生きるべきだとか「あるべき論」に縛られすぎていて、だから自殺を考えたりする。おこがましいんですけど、それを、どう解消してあげればいいのか、なかなか答えが見つからなかったんです。平野さんの「分人主義」という考えに出合って、「いろんな生き方、考え方があっていい」と分かった。それを相談に来る人たちに伝えられるようになり、支援に関わる者として、ものすごく得るものが大きかったです。
 小説だけでなく平野さんのツイッターなども拝見していて、社会に向ける視線や人との関わり方が僕と共通しているような気がしていました。共通点といえば、うちには3歳の男の子がいるんですが、平野さんも小さいお子さんがいらっしゃるんですよね。
平野 うちは3歳と5歳です。
藤田 子どもが生まれたら全然変わりましたよね。
平野 今までよく知らなかった待機児童の問題や保育士さんたちの重労働や精神的プレッシャー、低賃金についてなど、実感としてよく分かるようになりました。

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    新藤晴一 ミュージシャン

    2017年9月17日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 169   ロックバンド「ポルノグラフィティ」は1999年に...

コラム