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FRB利上げ決定ショック走る 外債「高値掴み」の邦銀に危機感

2017年4月 2日号

 これも"トランプショック"なのだろうか。
 FRB(米連邦準備制度理事会)が3カ月ぶりに利上げに踏み切る中、邦銀が保有する米国債で巨額な損失を被るのではないかと懸念されている。トランプ大統領の誕生に伴う金利の急上昇が背景にある。トランプ大統領は大幅な減税と財政出動を公約しており、これに伴い、就任前まで1・3%程度で推移していた米国の長期金利は、直近で2・6%台にまで急騰している。
 あまりに急速な金利上昇で、これまで米国債を大量に購入していた邦銀は逃げ遅れた感がある。昨年9月時点で3メガバンク(三井住友、三菱東京UFJ、みずほ)の合計で約6700億円あった外債の含み益は、同12月末には3300億円の含み損に転じている。差し引き1兆円もの収益が3カ月で吹き飛んだ格好だ。
 さらに、FRBが利上げを決めたことで、邦銀の含み損はさらに拡大することが危惧される。国内では日銀によるマイナス金利政策から、目ぼしい運用対象がなく、邦銀はこぞって利幅のある外債投資になびいた。そのツケが一挙に顕在化しかねないのだ。
 そればかりか、地域金融機関が投資する「外貨建て仕組み債」が過大な含み損を抱え、破綻の引き金となりかねない"火薬庫"として懸念される。
 マイナス金利政策を受け利ざやが急激に縮小する地域金融機関は、収益確保策としてヘッジ付き外債の購入に走った。その大半は仕組み債と呼ばれる高リスク債券と見られている。為替リスクをヘッジした上で高いリターンを得られるよう、スワップやオプションといったデリバティブ(金融派生商品)が組み込まれており、レバレッジが高い。
「各金融機関のニーズに合うようストラクチャーされた私募形式の外貨建て仕組み債が数多く販売されている」(外資系証券幹部)
 事態を憂慮した金融庁も実態調査に乗り出している。邦銀の危機は海外から押し寄せかねない。
(森岡英樹)

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