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最高の死に場所はこう探す 自宅か、病院か、介護施設か...

2017年3月19日号

 自らの「死」について、考えたことがあるだろうか。最期を過ごす場所は、病院や自宅、老人ホームなどの選択肢がある。一人静かに、あるいは大切な人に見送られたいなどの希望もあるだろう。死を見つめることが、より良い生を実現することにつながるという。

 死について語り合う「デスカフェ」という場がある。
 葬儀社であるライフネット東京の小平知賀子代表が定期的に開くデスカフェでは、参加者がテーマごとに自由に語り合う。「死を意識したことがあるか」という問いには、こんな答えがあった。
「自分ががんになった時、死にたくないって。生きて子供の成長を見続けたい、と願いました」
「夫が白血病です。長期間、高い治療費を払い続けることに"命の値段"を考える」
「勤務先の社長が亡くなった時、初めて死を意識しました。息子と二人暮らしだから、もし自分が死んだらどうしようって」
「高速道路で大事故に遭った時、心の中で『まだこの世でやりたいことがあるから、死なせないで!』と訴えました。車のボンネットが傷つき、後続車が激突してきたものの助かりました」
 2011年ごろから欧米を中心に広まり始めた「デスカフェ」は、現在およそ40カ国で開かれているという。日本でも開催される場が少しずつ増えている。死を忌み嫌って目を背けるのではなく、むしろ"意識する"ことで、これからの人生を豊かに生きようという狙いがある。
 ある女性は、母親が吐血しながら死んでいった様子を皆の前で語り、「私一人で看取(みと)ってしまったことが重かった。誰かに話したかった」と涙をぬぐう。このように、誰かの死を消化できず、吐き出せる場を求めてくる人や、未来に訪れる親や自分の死に備えて学びたいという人、ただ死に興味がある人など、参加する理由はさまざまだ。「家族や友人には話しづらいことも語れる」と口コミで広まっていき、小平さんがインターネットでデスカフェの告知をすると、毎回定員に達するという。
 取材日のデスカフェの最終テーマは、「最後はどう逝きたいか」であった。
「大切な人に『ありがとう』と伝えたい」「死ぬ直前に『いい人生だった』と思える自分でありたい」など、周囲への感謝や満足感を大事にする姿勢は多くの人に共通している。一方で、「家族に迷惑をかけたくないから、緩和ケア病棟や老人ホームで逝きたい」「やっぱり自宅で過ごしたい」「自然の中で一人でひっそり」など、希望の「死に場所」は分かれる。
 小平さんは「他の人の考えを聞きつつ、それぞれが答えを見つけることが大切」と話す。

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