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映画の営業権をゼロ価値に減損 ソニー減益で「V字回復」への道

2017年2月26日号

 ソニーは2月2日、2017年3月期の連結業績予想を下方修正し、純利益が前期比8割減の260億円となると発表した。村田製作所への電池事業譲渡に伴う減損損失330億円と、1121億円に及ぶ映画事業の減損損失が大きく足を引っ張る格好だ。
 映画事業の減損処理については、映画の製作・DVDソフトの販売に関する営業権を事実上ゼロ価値にまで引き下げ、「膿(うみ)を一気に出し切ることで、来期以降のV字回復につなげる決算処理」(メガバンク幹部)と見られている。
 ソニーの映画事業は、「スパイダーマン」シリーズに続くヒット作が乏しく、DVDソフトの販売が苦戦している。昨年末に事業計画を立案する過程で、映画などDVDソフトの市場規模が従来よりも2割以上落ち込むとの予想が出たことが減損を決断させた。
 そもそも減損処理の対象となる映画の営業権は、1989年にコロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメントをTOB(公開買い付け)で買収した際に計上していたもので、当時の買収額は48億ドル(約5000億円)だった。その後、95年にも営業権を2652億円減損処理しており、今回と合わせ、プロダクション・アンド・ディストリビューション(映画製作事業とテレビ番組制作事業に相当)に関する事業価値(のれん)は喪失した形になる。
 一方、これら巨額の減損処理、大幅な減益にもかかわらずソニーの株価は堅調に推移している。来年度以降、熊本地震に伴う減益要因が消え、収益向上が見込める。
「半導体事業ではカメラ用部品であるイメージセンサーが安定した需要が見込める。また、ゲーム事業ではプレステーション4の販売が好調を維持しているほか、仮想現実(VR)のプレステーションVRの売り上げも伸びている」(電機アナリスト)
 体力のあるうちに、思い切った減損処理に踏み切ることで、市場の評価を得る好事例といえそうだ。
(森岡英樹)

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