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餌代年間2000万円がネック 天王寺動物園がコアラ飼育断念

2017年2月19日号

「可愛いコアラ、見られんようになるん?」。大阪市天王寺動物園(同市天王寺区)はこのほど、30年近く続くコアラの飼育を断念すると発表した。
 豪州にしか生息しない有袋類のコアラは、日本では1984年に多摩動物公園などで飼育が始まり、ぬいぐるみのような可愛い姿はたちまち人気となり、天王寺動物園も1989年に豪州からプレゼントされて飼育を始め、最多で9頭飼育していた時期もあった。だが、繁殖力が弱く、人工授精の成功例もないなど、次第に飼育数は減少。全国的には90頭以上いた時代もあったが、現在は約半数に落ち込んだ(2015年末で50頭)。
 同園でも昨年まで3頭いたコアラは1頭が死亡、1頭が繁殖協力のために香港に渡り、現在はアーク君(雄・10歳)の1頭だけ。同園はコアラ飼育をアーク君で最後と決めた。
 理由は餌代。コアラはユーカリ、それも葉の柔らかい部分しか食べない「超グルメ」。ところがユーカリは日本の気候での栽培が難しい。同園は大阪、和歌山、岡山、鹿児島で土地を借り、農家と契約してコアラ用の指定苗を栽培している。1カ所のみでは、天候不順などで調達できなくなるからだ。このため、コアラには桁違いの経費がかかる。
 同園での1頭当たりの「年間餌代食い」を比較すると、コアラは約2000万円でダントツのトップだ。2番目に高いクロサイは約580万円、ライオンは140万円ほど。
「名古屋の東山動植物園は広いので園内でユーカリを育てているようですが、うちは場所がない。コアラは人気も高いので、アーク君にはあと10年は生きてもらい、その間に人工授精や人工餌なども開発できればいいと思います」(天王寺動物園公園事務所の今西隆和動物園担当課長)
 飼育コアラの平均寿命は約15年といわれるが、同園では23歳まで育てた記録もある。アーク君、コアラ復活の"礎"となれるか。
(粟野仁雄)

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