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 東電グループが社債発行を再開 信用力低下?投資家群がる理由

2017年2月12日号

 東京電力ホールディングス(HD)は、2011年の東日本大震災に伴う福島第1原発事故以降、中断していた社債の発行準備に入った。一時は社債発行のめどが立っていなかっただけに、「東電HDの信用力の低下が逆に奏功した」(市場関係者)との受け止めが広がっている。
 東電の経営再建を巡っては、廣瀬直己HD社長は16年3月期決算で3年連続黒字を確保したことを受け、今年度を「民営復帰に道筋をつける一年」と決意を表明していた。
 だが、その可否を判断する政府の原子力損害賠償・廃炉等支援機構による経営評価は厳しく、昨年5月27日に出された中間報告では、コマーシャルベースの資金調達への復帰について、「分社化に伴い既発債の信用力に回復傾向が見られるが、公募社債市場復帰のための格付け取得に向けた取組に課題があり、更なる努力が必要」と指摘された。
 その後、昨年12月9日に経済産業省から、東電の福島第1原発の廃炉や賠償にかかる費用が総額21・5兆円にのぼるとの新たな見積もりが発表され、国有化が最低3年延長される見通しが示された。社債市場への復帰はほぼ絶望的と見られたのだった。
 ここで神風が吹く。日銀のマイナス金利政策で、運用妙味を失った国債に代わる運用商品を求めていた機関投資家が、この東電債への投資に群がったのだ。
「日本の社債利回りが低迷する中、年限が長くスプレッド(上乗せ金利)も乗った電力債は相対的に利回りが高く、投資妙味がある」(市場関係者)というわけだ。既存の高利回りの東電債の金利負担も少なからず軽減されるメリットもある。
 社債は東電HD傘下で収益基盤が最も安定している送配電会社「東電パワーグリッド」が発行する。今年度中に最大1000億円を発行予定で、主幹事証券を決め、詰めの作業を急ぐ。信用力の低下によるカムバック劇――。なんとも皮肉な結末というしかない。
(森岡英樹)

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