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三田会の中の別格組織 幼稚舎三田会の華麗なる人脈

2017年2月12日号

シリーズ「大学同窓会の研究」 慶應大学編/下 三田会の中の別格組織 幼稚舎三田会の華麗なる人脈

 大学同窓会の中で最強と評される慶應義塾大学の三田会。その中にも別格の組織がある。オーナー企業の御曹司たちが数多い「幼稚舎三田会」だ。小学校から大学まで慶應なので、その絆は他の三田会より強固。日本の経済界を動かすほどの華麗な人脈がある。
(ジャーナリスト・田中幾太郎)

「数ある三田会の中で、幼稚舎三田会(慶應義塾幼稚舎同窓会)は別格」と話すのは慶應義塾大学の文系学部のある教授だ。自身も幼稚舎出身。6歳から約半世紀の大半を慶應という世界の中で生きてきた。それだけに、数々の三田会に所属している。
 幼稚舎三田会のほか、大学を卒業すると自動的に組み込まれる年度三田会や慶應義塾普通部(中学)、慶應義塾高校(通称・塾高)のそれぞれの三田会、サークルとゼミの三田会、さらには自宅がある地区の地域三田会に名を連ねている。
その中でも「これぞ慶應」という特別な感慨を抱くのが、幼稚舎の会合などに出席した時なのだという。
「幼稚舎出身者の慶應愛は他の三田会とは比べものになりません」(同教授)
 幼稚舎の創立は1874(明治7)年。近代的な小学校としては、日本で最古の歴史を持つ。
 幼稚舎から入学した場合、途中で退学することがない限り、少なくとも幼稚舎から大学の16年間を慶應で過ごす。幼稚舎はクラス替えがないので、1クラス36人(1学年4クラス)が、6年間をともにする。幼稚舎卒業までには、中学や高校から入学してくる生徒が入り込む余地がないほど、同級生同士で濃密な関係が築かれる。
 この教授は「それがいいことだとは思わない」と断りつつ、「幼稚舎の生徒は自分たちのことを"内部"、中学以降に入ってきた生徒を"外部"と呼び、明確に区別しています。『自分たちだけが本当の慶應生』という意識がどこかにあります」と打ち明ける。
 だが、これは慶應の精神からすると、かなりおかしなこと。同校において、"先生"という敬称が付けられるのは福澤諭吉だけで、塾員(OB・OG)や塾生(現役の学生・生徒)は"君付け"で呼び合うことになっている。福澤以外は「学問の志を同じくする同輩」であるという理由からだ。
 実際に学生が教職員に面と向かって君付けで呼ぶことはないが、気持ちの上では横並び。そこに区別があってはならないはずなのである。
「自分たちと他の塾生を比べると、慶應に対する愛情がまったく違う。最近は特にその傾向が強く、大学から入ってくる学生の中には、4年になっても塾歌(校歌)が歌えない者もいる。それどころか、『若き血』(短い応援歌)すら歌えない学生が少なくありません。そういう人たちと一緒にされたくないという気持ちがある」(同)
 横並びが前提とはいえ、三田会内にもヒエラルキーめいたものが存在するようだ。
 幼稚舎三田会には現在、約8000人の会員が在籍するが、その最大の特徴は「育ちの良さ」だろう。
 オーナー企業の御曹司たちが目立ち、現在も経済界で活躍する経営者が少なくない。

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