政治・社会詳細

イチオシ
loading...

怒・やり過ぎだろ!急増 年金・保険を差し押さえる役所の非道

2017年2月12日号

 生活が困窮し、高すぎる国民健康保険料(税)や住民税などが払えなくなった人の年金や給与、児童手当などを差し押さえる―。滞納者の生活実態を見ない行政の横暴なやり方が各地で問題になっている。専門家らは「経済状況に配慮すべきだ」と主張している。

「給料日の今日、口座を開くと数万円しかなかった」「4年前から市民税を滞納し、少しずつ分納してきた。それなのに、担当者が変わったら養老保険をいきなり差し押さえられた。悔しい」......。
 昨年12月末に行われた全国一斉「税金・国保料 滞納・差押ホットライン」。悲痛な相談が90件近く寄せられた。
 多くの国民は遅滞なく納税している。税負担の公平性を保つためにも滞納者に対する徴収は重要だ。だが、まじめに働いてきた人が病気で倒れたり、商売の不振で収入が途絶えるなど、払いたくても払えない状況に陥ることは多々ある。
 納期が過ぎても、国民健康保険料(税※)や住民税などの納付がない場合、自治体による資産差し押さえが許されている。ただし、そこには「生活を圧迫してはいけない」など、国税徴収法に基づいた制限が加えられている。滞納に詳しい角谷啓一税理士はこう話す。
「滞納している側にも問題がある場合が多い。しかし、そうした納税者を処分、処分で突き放すのではなく、地方自治体本来の機能を発揮して、生活改善を含め納税者に寄り添った徴収行政をやってほしい。ところが最近の徴収行政は、滞納者の個々の実情を見ず、売掛金や給与や預貯金など、事業の継続や生活の維持に打撃となる財産を差し押さえたり、『差押禁止財産』の児童手当まで差し押さえるといった違法とさえいえる事態が広がっているのです」
 東京都豊島区の70代男性は一昨年夏、生活費を下ろすために銀行ATMの前に立った時、目を疑った。約10万円が差し引かれ、残額はほとんどなくなっていた。
 男性は一人暮らし。クリーニング店で働き、収入は月7万~8万円。4万円の家賃を払うと生活は目いっぱい。保険料に回せるカネの余裕もなく、やがて国保料を滞納するようになった。
「年金は掛けていなかったから無年金。心臓の病があるので国保料は払いたいが、払えない時もある。何度か督促状もきたけど、どうしようもないからそのままにしてたんだ」(男性)
 知人と一緒に役所の窓口に行き、「10万円も差し押さえられたら死ぬしかない」と訴えたが、「生活が厳しくても納めている人もいる」と言われたという。交渉の末、半分の5万円を返してもらった。今は生活保護を受けて暮らす男性は「恐ろしかった」と振り返る。
 全国各地で同様の事例が頻繁に起きている。
「年金支給日の朝に市が差し押さえ、残金がほとんどなかった」(群馬県)、「生命保険を差し押さえられ、解約されて40万円を取り立てられた」(大阪府)など、一定金額の差し押さえが禁止されている年金や給与などの差し押さえが各地で横行している。
 

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    田中麗奈 女優

    2018年5月20日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/202   清涼飲料水のCMで初代イメージキャラクターを務め...

コラム