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4月の自由化へ参入表明は4社 ガス小売りサービス競争の行方

2017年1月22日号

 4月に始まる都市ガスの小売り全面自由化が、いまひとつ盛り上がらない。現状では、自由化によって期待された料金やサービスの競争が起きるかどうか、心もとない状況だ。
 今回の自由化で地域独占や料金規制といった家庭向けや商店向けなど小口のガス市場の規制が撤廃され、既存のガス会社以外の一般企業もガスを販売できるようになる。全国で約2・4兆円に上る市場が開放される。
 ガス会社の有力なライバルと目されるのが、強力な顧客基盤や経営規模を持つ大手電力会社だ。東京電力ホールディングスは昨年12月26日、2017年7月の参入を表明した。首都圏の電気の販売先2000万件に働きかけ、初年度4万件の契約を目指す。関西電力も27日、電気とセットで大阪ガスに比べ最大8%割り引く料金プランを発表した。
 だが、経済産業省への事前登録を済ませた9社のうち、参入を表明した企業は12月28日時点でわずか4社にとどまる。300社超が参入した昨年4月の電力小売り自由化に比べ、格段に少ない印象だ。
 参入が少ない最大の理由は、ガス事業を手掛けることの難しさだろう。例えば参入業者はガス提供にあたり、天然ガスの調達ルートの開拓が必須だ。ガス業界には、電力業界のようにガスを売買できる公開市場がない。火力発電所向けに天然ガスを使う電力会社を除くと、調達ノウハウを持つ企業は限られる。
 既存のガス会社の目にも、参入企業が予想以上に少ないと映っているようだ。
「工場など大口向けにすでにガス事業を手掛ける石油会社や電力会社の中にも姿勢を明確にしていない企業がある。参入に必要な設備や体力は十分あるはずです。単に新しいリスクを抱えることに躊躇(ちゅうちょ)しているだけではないか」(大手ガス会社幹部)
 ガス料金の値下げなど、消費者に自由化の恩恵を届けるためには、官民の不断の努力が必要だ。
(池田正史)

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